ニュージーランド中銀が3会合連続で利上げ、政策金利は1.0%に

(ニュージーランド)

シドニー発

2022年02月24日

ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)は2月23日、2022年最初の政策金融委員会を開催し、政策金利を0.25ポイント引き上げ、1.0%とすることを決定した。3会合連続の引き上げで、新型コロナウイルス感染拡大前の水準に戻したかたちとなった(2020年3月26日記事参照)。

RBNZは「物価を安定化し、持続可能な最大限の雇用を支援するために引き続き金融政策を引き締める必要があると判断した」と説明した。また、大規模資産購入(LSAP)プログラムの下で保有する債券について、満期償還や売却を通じて段階的に縮小する方針も明らかにした。

今後の経済見通しについては、「短期的には、新型コロナウイルスのオミクロン型変異株の感染拡大による影響が予想されるが、家計や企業のバランスシートの強さ、政府の財政支援、好調な輸出に支えられて、ニュージーランド経済は底堅さを維持している」と強調した。ただし、「労働市場は持続可能な最大限の水準を上回っており、石油価格や輸送コストの上昇、サプライチェーンの混乱などによって、インフレ率は短期的に上昇する」と予測した。特に、「現在の国内での生産能力の制約を踏まえると、より広範な価格の上昇を引き起こすリスクがある」と懸念を示し、今後必要であれば大幅な利上げを行う用意があるとした。

(住裕美)

(ニュージーランド)

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