2021年の輸出は前年比32.8%増

(トルコ)

イスタンブール発

2022年02月09日

トルコ統計機構(TUIK)の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(1月31日付、暫定値)によると、2021年の輸出は前年比32.8%増の2,252億9,100万ドル、輸入は23.6%増の2,714億2,400万ドルとなり、貿易赤字は7.5%減の461億3,300万ドルだった。現地通貨トルコ・リラ安で輸出競争力が高まったことや、新型コロナウイルス禍での生産維持が貿易赤字縮小に好感した。ただし12月単月では、輸出が前年同月比24.9%増(222億7,800万ドル)、輸入が29.9%増(290億700万ドル)で、輸入エネルギーコストの上昇もあり、輸入の伸びが輸出を上回る傾向が見て取れた。

2021年の輸出を品目別にみると、鉄鋼が前年比94.1%増と最大の寄与になった(添付資料表1参照)。通貨安に加え、中国が鉄鋼輸出を引き締めたことや、国外で新型コロナ禍からの経済回復が進み、需要が高まっていることなどが背景にある。同様に、一般機械(23.7%増)、自動車(13.3%増)、金を中心とした貴金属(63.8%増)、プラスチック製品(43.7%増)、電気機器(29.1%増)といった主力品目が軒並み2桁増だった。

輸出を国・地域別にみると、全体の41.3%を占めるEU向けが自動車・同部品、衣類、化学品、鉄鋼などで大きく伸ばしており、32.9%増だった(添付資料表2参照)。特にドイツ、イタリア、フランス、スペイン、オランダが好調だった。米国、英国なども堅調で、通貨安に加え、輸送コスト上昇によるサプライチェーンの再編が主要国向けの輸出に寄与しているとみられる。

輸入を品目別にみると、最大の輸入品目である鉱物性燃料が、国際エネルギー価格の高騰と通貨安の影響で、75.3%増と大きく伸びた(添付資料表3参照)。国内の電力・ガス価格も上昇が続いており、生産コストが急騰している。また、世界的な原材料価格の高止まりが続いており、鉄鋼も82.9%増と伸びている。その他、一般機械(22.5%増)、プラスチック製品(49.8%増)、電気機器(16.5%増)といった主要品目も2桁増と大きく伸ばしている。国・地域別では、天然ガスを主力とするロシアからが62.4%増となり、中国も39.9%増と好調だった(添付資料表4参照)。EUは、ドイツからの輸入が鈍化したが、イタリア、フランスを中心に16.4%増だった。

(中島敏博)

(トルコ)

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