4月からエネルギー価格上限引き上げ、消費者支援策も導入

(英国)

ロンドン発

2022年02月07日

英国のガス・電力市場局(Ofgem、エネルギー部門の規制機関)は2月3日、4月1日から6カ月間のエネルギー価格上限(energy price cap)を引き上げることを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。標準的な家庭のガス・電気使用量の場合、年間の価格上限は1,971ポンド(約30万7,476円、1ポンド=約156円)となった(添付資料図参照)。Ofgemは、今回の上限引き上げについて、現行上限(1,277ポンド)は2021年8月に発表したもので、その後の世界的なガス価格の高騰が反映されていなかったためとしている。英国では、2021年1月から29社のエネルギー小売事業者が市場から撤退、または特別管理下に置かれ、国内の約430万軒(家庭用)の顧客に影響が出ている(2021年11月11日付地域・分析レポート2021年11月26日記事参照)。次回の見直しは8月に発表、10月1日から適用の予定。

Ofgemのジョナサン・ブリーリー最高責任者は「エネルギー市場は、30年に一度の世界的なガス価格の高騰により、大きな困難に直面している。エネルギー規制当局としてのOfgemの役割は、価格上限の下でエネルギー小売業者が電気・ガスの供給にかかる真のコストに基づいた公正な価格を請求できるようにすることだ」とコメントした。

また、Ofgemは翌4日、エネルギー価格上限の見直し頻度を四半期ごとの更新へ変更することや、エネルギー小売事業者への事前通知を現行の2カ月前から1カ月前とする提案などについて、3月4日までの期間で意見公募を開始外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

エネルギー価格上限の高騰に対する政府支援

政府は3日、エネルギー価格の上限引き上げに伴い、消費者を保護するために1世帯当たり最大350ポンドを支援することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。具体的には、イングランドの80%の世帯(注)に対し、2022年4月に150ポンドのカウンシル・タックスの払い戻しを行う。

また、10月から電気を利用する家庭に対し、料金から200ポンドを割り引く(政府による費用負担を受けた電力小売事業者が割引価格を適用)。政府はこの200ポンドについて、世界のガス卸売価格が下がると予想される2023年から5年間で1年当たり40ポンドの分割で消費者から回収するとしている。

(注)イングランドでは、カウンシル・タックス(個人用不動産にかかる固定資産税)の価格帯がA~Dの場合に支援を受けることができる。カウンシル・タックスについては、「英国 その他の税制 カウンシル・タックスPDFファイル(516KB)」参照。

(宮口祐貴)

(英国)

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