カナダ・ケベック州首相、新型コロナワクチン接種拒否者への健康税導入を撤回
(カナダ)
トロント発
2022年02月02日
カナダ・ケベック州のフランソワ・ルゴー州首相(ケベック未来連合)は2月1日、同州の「社会的結束」を守るため、新型コロナウイルスのワクチン未接種者に対する「健康税」の課税案を進めないことを明らかにした。
同税は、ワクチン接種対象者でありながら初回の接種を拒否した州民へ金銭的ペナルティーを科すもので、1月に同首相が導入意向であることを発表していた(2022年1月13日記事参照)。発表後、オンタリオ州やブリティッシュ・コロンビア州は導入の意思がないことを明らかにするなど、カナダ国内でも賛否が分かれていた。
ケベック州政府は税導入に関する法案を準備していたが、州民の「不満の高まり」を受けて法案を議会に上程しないと決めたという。
ルゴー州首相は「税がケベック州民を分断していることは理解しており、今は橋を架ける必要がある。私の役割は州民が団結できるようにすることだ」と述べた。
発表を受け、ケベック州野党のドミニク・アングラード自由党党首やポール・セントピエール・プラモンドン・ケベック党党首は、2022年秋のケベック州選挙を控え、ルゴー州首相は科学に基づかずに世論調査で意思決定をしていると批判した(CBCニュース2月1日)。
(飯田洋子)
(カナダ)
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