政府が「水素社会ロードマップ」発表

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2022年02月28日

南アフリカ共和国科学・イノベーション省は2月17日、「水素社会ロードマップ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。同省のブレード・ンジマンデ大臣は、水素分野の必要な投資と雇用の確保、スキル向上を促進するべく、環境整備を進めていくと述べた。南ア政府は2050年までに社会福祉のために公平で包括的なグリーン成長を目指している。今回のロードマップは、政府の戦略と政策の方向性を明確にし、さまざまなセクターが協力しながら、グローバル市場で有利なプラットフォームを作ることを目的としている。

同大臣によると、南アの化学製造分野で一部使用されている水素は、化石燃料由来の「グレー水素」だ。政府はプラチナム・バレー・イニシアチブ(PVI)という産業クラスターを立ち上げており、今後の代替エネルギーとして再生可能なグリーン水素への転換を図る。PVIは水素製造で重要な触媒となる白金族金属(プラチナ族)を活用したエコシステムの形成を目指す。これは、南アが白金族金属(プラチナ族)埋蔵量で世界トップクラスであることを生かした取り組みだ。ロードマップは、アングロアメリカ・プラチナムなどと提携した水素バレー構想や、リンポポ州モガラクウェナからヨハネスブルクを経由してダーバンに続く「水素回廊」の設置検討にも言及している。現在では16の実証実験が進んでおり、大型ディーゼル車から燃料電池車への置き換えなども検討している。

政府はグローバル市場への水素輸出にも期待している。日本が2030年ごろに水素調達の大規模なサプライチェーン構築を予定していることから、ロードマップでは、日本が長中期的に有望な輸出先国の1つと位置づけている。

政府の水素への取り組みは、2007年に「国家ハイドロジェン南アフリカ(HySA)RDI戦略)」が内閣で承認されたことに始まる。これを契機に設立されたハイドロジェン南アフリカ(HySA)プロジェクトが今回、政府だけでなく100を超える業界団体などを巻き込んでロードマップを完成させた。

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国)

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