米USTR、2021年版の模造品・海賊版に関わる悪質市場の調査結果を発表

(米国)

ニューヨーク発

2022年02月18日

米国通商代表部(USTR)は2月17日、2021年における模造品・海賊版に関する悪質市場の調査結果を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。USTRは本調査を2006年から、知的財産に関するスペシャル301条報告書に含めるかたちで結果を公表していた。しかし、2011年以降は、同報告書と切り離して調査結果を公表している。

USTRによる悪質市場のリストは、あくまでもパブリックコメントや米国の在外公館から寄せられた情報を基に、特に問題のあるオンラインもしくは物理的な市場を列挙したものとなる。よって、同リストは網羅的なものではなく、法規の違反または米政府による当該国の知財権保護状況を分析した結果を反映したものでもない。とはいえ、同リストに列挙された市場については、米政府が強い懸念を抱いている対象と位置付けられる。キャサリン・タイUSTR代表は「模造品・海賊版の国際貿易は米国のイノベーションと創造力をおとしめるとともに、米国の労働者に害を与えるものだ」との声明を出している。

USTRは今回の悪質市場リストで、42のオンライン市場と35の物理的市場(18カ国)を特定している。オンライン市場は本拠地を特定できないものもあるが、USTRは今回新たに追加した市場として、中国に本拠のあるアリババ・グループによるアリエクスプレス(AliExpress)とウィーチャット(WeChat)による電子商取引(EC)エコシステムを名指ししている。また、同じく中国本拠のBaidu Wangpan、DHGate、拼多多(Pinduoduo)、淘宝網(Taobao)は継続して掲載されている一方、調査結果では説明がないものの、過去2年間掲載されていた米EC(電子商取引)プラットフォーム大手アマゾンの一部の海外サイトをリストから全て落としている。掲載はトランプ前政権時に行われたものだが、アマゾンは事実に基づかない政治的な行為だとして同政権を批判していた。

全米アパレル履物協会(AAFA)は同日発表した声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、USTRの調査結果を評価する一方で、いくつかの主要なプラットフォームが抜け落ちている、と指摘している。同協会が2021年10月にUSTRへ提出した意見書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、SNS大手メタ(当時フェイスブック)(インスタグラム、ワッツアップを含む)のプラットフォームが模造品の広告・販売に利用されているとの懸念を示していた。その上で、ECプラットフォーマーに対して、健康安全リスクのある模造品を販売する第三者に関する責任を課し、また、そうした売り手の情報の透明性を高めるよう求める条項などを含んだAmerica COMPETES Act(2022年2月7日記事参照)を早期に可決するよう米議会に求めている。

(磯部真一)

(米国)

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