新型コロナ・オミクロン株の感染拡大懸念、信号システムを赤へ

(ニュージーランド)

シドニー発

2022年01月25日

ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は1月23日、新型コロナウイルス感染対策として導入している信号システムについて、同日午後11時59分から全ての地域を「赤」に移行すると発表した。新型コロナウイルスのオミクロン型変異株の市中感染の拡大が懸念されることから、警戒レベルを最高位に引き上げた。

政府はこれまで、オミクロン株のリスクを最小限に抑えるため、1月から実施予定だった入国規制の段階的緩和を2月末まで延期していた。また、入国時の要件である出発前72時間以内の陰性証明を48時間以内に短縮し、政府指定施設での隔離期間を7日間から10日間に延長するなど、水際対策を強化していた(2021年12月22日記事参照)。しかし、オミクロン株の感染は空港や隔離施設の労働者に始まり、1月24日までに最大都市オークランドや北島のパーマストン・ノース、南島のネルソン・マールボロ地域で計19人確認されている。

ニュージーランドが導入している新型コロナウイルス感染対策の新制度「COVID19プロテクション・フレームワーク」では、緑、オレンジ、赤の3段階からなる信号システムを用いている。赤の場合は、最大100人の人数制限などが課されるものの、ワクチン接種証明書の使用によって飲食店の利用などが可能となる。

アーダーン首相は「オミクロン株の感染力は強く、これまでよりもはるかに多くの感染者が発生すると思うが、感染リスクを抑えるためにできるだけ早くワクチンの追加接種を受けてほしい」と呼び掛けた。

(住裕美)

(ニュージーランド)

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