深セン市、科学技術イノベーションに関する第14次5カ年規画を発表

(中国)

広州発

2022年01月27日

深セン市科技創新委員会は1月12日、「深セン市科学技術イノベーション第14次5カ年(2021~2025年)規画」(以下、「規画」)を発表した。2022年1月25日時点で「規画」の全文は公開されていないが、深セン市政府が1月13日、同市ウェブサイト上などで明らかにした主な内容は以下のとおり。

全体目標:2025年までに、現代化・国際化イノベーション都市を建設し、広東・香港・マカオグレーターベイエリア国際科学技術イノベーションセンターの重要な牽引役となる。また、科学技術と産業イノベーションに関して全世界に影響力を有する地位を築くための取り組みを加速化する。

2025年までの具体的な数値目標は次のとおり。

  • 深セン市域内総生産(GRP)に占める研究開発投資額の割合を5.5~6%とする
  • 研究開発経費に占める基礎研究経費の割合を5.5~6%とする
  • 国家級ハイテク認定企業数を2万2,000社超とする
  • 人口1万人当たりの高付加価値特許(注)保有件数を108件とする など

上述の目標値のうち、人口1万人当たりの高付加価値特許保有件数については、全国人民代表大会が2021年3月に採択した「第14次5カ年規画と2035年までの長期目標綱要」(以下、「中国の規画」)の中で示された目標件数「2025年までに12件」を大きく上回る。

また、「規画」では、政策上の重点産業についても言及している。具体的には、7つの「戦略的新興産業」と、近い将来「戦略的新興産業」に成長することが見込まれる8つの「未来産業」が列挙されている(添付資料表参照)。「中国の規画」で示された「戦略的新興産業」と比較すると、列挙された産業はおおむね合致しているものの、デジタル分野とファッションの融合や合成生物、ブロックチェーン、可視光通信・光コンピューティングなど、深セン市の「規画」が独自に盛り込んだ重点産業も含まれる。

「規画」では、これらの産業を推進する重点地域として、深センハイテク区や前海などに11のイノベーションクラスターエリアを建設するとしている。

(注)中国語では高価値発明専利。戦略性新興産業の特許、海外ファミリーを有する特許、維持期間が10年を超える特許、比較的高い担保融資金額を実現した特許、国家科学技術賞あるいは中国専利賞を受賞した特許のことを指す。

(小野好樹)

(中国)

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