韓国・インド、包括的経済連携協定の改定交渉再開で合意

(韓国、インド)

ソウル発

2022年01月18日

韓国の産業通商資源部は1月12日、ヨ・ハング通商交渉本部長とインドのピユシュ・ゴヤル商工相との間で「韓国‐インド通商大臣会合」を開催し、2019年6月以降中断している両国間の包括的経済連携協定(韓国‐インドCEPA)改定交渉を2月中に再開することで合意したと発表した。

ヨ通商交渉本部長は同会合において、韓国‐インドCEPAが両国の経済協力および貿易・投資の拡大(注1)に重要な役割を果たしてきたと評価しつつ、昨今の通商をめぐる環境の変化に対応するため、両国のCEPAを早急に改定し、サプライチェーンを強靭性すべきと強調した。

さらに、同部は韓国‐インドCEPA改定の意義として、(1)韓国が締結する他のFTA(自由貿易協定)と比較し、韓国‐インドCEPAは自由化率(注2)が低く、原産地規則の要件(注3)が厳しい中、韓国企業の対インド輸出時の協定活用率が41.7%と低く、改善が求められている点、(2)インドが「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」に不参加である点に着目し、韓国の既存のFTAネットワークと併せて、実質的なRCEPの成立を目指せる点を挙げている。

これに対し、インド側ではその意義を「貿易不均衡の改善のため」としている。インドは韓国からは2020年に157億ドル、2021年に128億ドルを輸入したものの、インドから韓国への輸出はそれぞれ48億ドル、47億ドルにとどまり、貿易不均衡が生じている。さらに、インドの輸出業者は韓国側の非関税障壁に不満を抱いている、との指摘もある(「ファイナンシャル・エクスプレス」2022年1月12日)。

(注1)韓国側の統計で発効(2010年1月)前後の10年間の貿易額を比較すると、2000年~2009年累計の71億8,000万ドルから2010年~2019年累計の186億3,000万ドルに増加している。

(注2)韓国‐インドCEPAのインド側の自由化率は、品目ベースで67.9%、輸入額ベースで66.6%。

(注3)多くの品目で付加価値基準(RVC)35%と6桁ベースの関税番号変更基準(CTSH)を同時に満たすことが求められている。

(当間正明)

(韓国、インド)

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