インドネシアのビンタン・バタム島、シンガポールから隔離なしで観光客受け入れ開始
(シンガポール、インドネシア)
シンガポール発
2022年01月27日
インドネシアのジョコ・ウィドド大統領とシンガポールのリー・シェンロン首相は1月25日、両国の国境に位置するインドネシア・リアウ諸島州のビンタン島で首脳会談を行った。インドネシア政府は同月24日から、ビンタン島と、隣接するバタム島の両島について、シンガポールからの観光客を隔離なしで受け入れる一方通行の「トラベルバブル」を開始した。リー首相は会談後の会見で、同トラベルバブルについて、双方向での隔離なしの渡航を早期に可能にする方向で協議する、と述べた。シンガポールからビンタン・バタム両島へは隔離なしで渡航できるが、現時点ではシンガポール帰国後に7日間の自宅または指定宿泊施設での隔離が必要となる(注1)。
インドネシア政府の発表によると、ビンタン・バタム両島への隔離なしの観光目的の渡航は、入国前にシンガポールに14日間以上連続で滞在し、新型コロナウイルスのワクチン接種を完了し、出発72時間前にPCR検査を受けて陰性であることなどが条件となる(注2)。また、入国窓口と地域が指定されており、ビンタン島へはバンダール・ビンタン・テラニ・フェリーターミナルから入国し、トラベルバブル地域は「ラゴイ・ビンタン・リゾート」。バタム島はノングサプラ・インターナショナル・フェリータミナルから入国し、地域については「ノングサ・センセーション」と指定されている。
リー首相は「インドネシアへの空路と海路を拡大し、渡航先を拡大するための話し合いを今後も続けることでジョコ大統領と合意した」と語った。ただし、オミクロン型変異株の感染の行方を特に注視する必要があり、両国が安心できるペースで渡航規制の緩和をしていく必要を指摘した。インドネシアの首都ジャカルタとシンガポール間については2021年11月29日から、新型コロナウイルスのワクチン接種者を対象に、相互に隔離なしの渡航を可能にする「ワクチン・トラベルレーン(VTL)」を開始している。
リー首相、バリ島で開催のG20サミット出席へ
一方、両国は同日の首脳会談で、両国間の飛行情報区(FIR)の改定に合意したほか、新たな犯罪人引渡条約に署名した。また、両国軍の防衛協定に基づく協力関係の強化でも合意した。このほか、リー首相は同日、インドネシアが議長国を務める2022年10月に開催予定のG20サミットへの招待を受け、出席する意向を明らかにした。
(注1)海外からのシンガポールの入国時の隔離や検査などの義務の最新情報は、入国管理局(ICA)のセーフトラベルのホームページを参照。
(注2)ビンタン・バタム両島へのトラベルバブルを通じた観光目的の入国条件の詳細は、在シンガポール・インドネシア大使館のホームページを参照。
(本田智津絵)
(シンガポール、インドネシア)
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