新型コロナに係る健康証明の域内運用を開始
(台湾)
中国北アジア課
2022年01月21日
台湾の中央流行感染症指揮センター(CDC)は1月20日、翌21日午前8時から「デジタル新型コロナウイルス健康証明」の域内向け提供を開始すると発表した。台湾では、前年12月末から主に海外渡航者向けにオンラインのワクチン証明と検査結果証明サービスを提供し、既に26万を超える証明書を発行した。今回、台湾域内外での新型コロナウイルスの感染拡大や、各界からの提案および要望を踏まえて、域内でもデジタル証明書活用を開始する。同サービスで提供する「デジタル新型コロナウイルス健康証明」には以下の3つの特徴がある。
- 台湾内のワクチン接種者(外国人も含む)がダウンロード可能。
- ワクチン証明は、EUの基準に準拠(2021年12月23日記事参照)。60カ国の証明に対応。
- 証明プラットフォームとして、実名制のアプリを提供。
利用の際は身分確認が必要となり、台湾籍を有する場合は、(1)身分証番号と健康保険カード番号、戸口名簿番号(戸籍の証明に該当)、(2)行動身分識別システム(FIDO)、(3)自然人証明、のいずれかの方法で確認を行う。外国籍の場合は、(1)統一証番号(身分証番号)と健康保険カード番号、(2)統一証番号と出入境証明番号、(3)統一証番号とパスポート番号、のいずれかの方法で確認を行う。身分確認後、ワクチン証明と検査結果証明のPDFデータがダウンロード・印刷可能となる。
ワクチン証明の結果画面は、色・マーク・テキストで表示され、緑のチェック(合格)、赤のバツ(不合格)、黄色の注意マーク(ワクチンの接種が未完了、ワクチンの有効期限が一致しない、台湾で認められていないワクチンの利用などにより、確認待ち)の3種類がある。結果画面では、表示される個人情報が氏名と生年月日に限られるため、CDCは利用時に厳密な本人確認が必要な場合は、他の身分証明書との照合を推奨している。
なお、台湾でのワクチン証明については、デジタル証明だけでなく、紙による証明(健康通帳、国際予防接種証明、ワクチン接種記録カードなど)も有効だ。
(柏瀬あすか)
(台湾)
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