反政府派、マドゥーロ大統領の罷免要求に失敗

(ベネズエラ)

ボゴタ発

2022年01月28日

ベネズエラで1月26日、反政府派が要求していた「ニコラス・マドゥーロ大統領の罷免投票の実施を求める意思確認登録(指定場所での国民による指紋押捺)」が実施された。しかし、有効登録者数(有権者の20%)を得ることができず、罷免投票の実施にまでこぎ着けることが不可能となった。

憲法72条では、大統領任期の半分を過ぎた段階で1回だけ、大統領の罷免投票を実施する権利を有権者に認めている。マドゥーロ大統領は2019年1月10日に就任し、2022年1月10日以降に罷免投票が可能となっている。このため、反政府派の団体MOVERは2021年5月から選挙管理委員会(CNE)に大統領罷免投票の手続き実施を求め、1月17日にCNEはこの要請を承認した。しかし、21日に発表された意思確認登録のための日程は、わずか5日後の26日の1日のみとされた。また、罷免投票の実施には憲法72条の規定により有権者の20%(約423万人)の登録が必要だが、CNEの判断により全国レベルではなく全ての州でそれぞれ20%を超える必要があるとされた。加えて、登録場所も全国に1,200カ所と少ないことから、実施前から有効数の登録を得ることはほぼ不可能とみられており、MOVERも市民への登録呼びかけを断念していた。

26日のカラカス市内は平常と変わるところはなく、登録場所でも混乱は見られなかった。与党PSUV副総裁で元制憲議会議長のディオスダド・カベージョ議員は同日、登録に参加したのはわずか4万人だったと発表した。また「われわれは登録した人のリストを要求する権利を持っている」と発言。2003年~2004年にウゴ・チャベス大統領(当時)の罷免投票実施の署名者リストが政府派議員により公表されたが、その際、対象者は政府系機関から解雇されるなど、さまざまな社会的不利益を被ったとされている。カベージョ議員の発言は、今回も同じことが起こる可能性を示唆したものとみられている。

登録の結果は既に明らかだが、CNEは2月13日に結果を正式に発表するとしている。反政府派内では同発表に合わせて街頭デモを呼び掛ける動きもあるが、このような運動ではもはや政権を揺さぶるほどの動きには成り得ないとの見方が大勢となっている。

(マガリ・ヨネクラ、豊田哲也)

(ベネズエラ)

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