冬季オリ・パラのチケット販売せず、北京は新型コロナ対策で来訪者のPCR検査義務付け

(中国)

北京発

2022年01月20日

北京冬季オリンピック・パラリンピック組織委員会は1月17日、大会の観戦チケットを中国国内で販売も行わず、観客を一部の招待客に限定すると発表した(注1)。新型コロナウイルス感染防止・抑制に向けた情勢が依然として厳しいことを踏まえ、大会関係者や観客の健康と安全を守るための措置としている。観客に対しては観戦中とその前後に感染対策を厳格に実施するよう求める。

河北省張家口市の競技エリアにある選手村では、1月18日から大会関係者を外部と遮断する「バブル方式」管理(中国語では「閉環管理」)が始まった。選手村運営チームの瀋千帆主任は「1月23日から選手の入居が始まる」と述べた(「北京日報」2022年1月18日)。選手村は23日のプレ開村(正式開村は27日)から3月16日の閉村まで53日間開く予定。オリンピック期間中は79カ国・地域の代表団の延べ2,020人、パラリンピック期間中は39カ国の代表団の延べ644人を受け入れる(「新華社」2022年1月13日)。

18日には北京冬季オリンピックの最終版公式スケジュールが発表された。開会式は2月4日、閉会式は2月20日にいずれも北京市内の国家体育館で行われる予定。

北京市はオミクロン株感染者発生を受け、入・帰京後3日以内のPCR検査を義務付け

中国では、1月に北京市に隣接する天津市で新型コロナウイルスのオミクロン型変異株による市中感染が発生したほか、上海市、遼寧省、河南省、広東省などでも同変異株の感染者が確認されている。北京市では15日にオミクロン株の市中感染1例、感染者の濃厚接触者の1人が陽性と確認されている。

北京市は16日、オミクロン株による市中感染の発生を受け、22日から3月末までに北京市内に入る(戻る)者に対して、従来の48時間以内のPCR検査陰性証明と「北京健康コード」の緑コードの所持に加え、到着後72時間以内のPCR検査の受検(1回)を義務付けた(注2)。

(注1)組織委は2021年9月30日、外国からの観客の受け入れを行わない一方、中国の新型コロナウイルス防疫条件を満たした観客に限って観戦を認める方針を示していた。

(注2)北京市政府の徐和建報道官は1月18日、同措置について、北京到着後72時間以内に北京市を出る場合にはPCR検査を受ける必要はないと説明した。

(趙薇)

(中国)

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