アンジェスと加バソミューン、米国で新型コロナ治療薬の第2段階治験開始

(日本、カナダ)

米州課

2022年01月28日

アンジェス(本社:大阪府茨木市)は1月19日、カナダのバイオ医薬品会社バソミューン・セラピューティクス(本社:オンタリオ州)と共同開発を進めている新型コロナウイルス治療薬「AV-001」について、前期第2相臨床試験を開始したことを発表した。今回の臨床試験では、重度の新型コロナウイルス入院患者に対して、1日のAV-001実薬投与量を12.5マイクログラム/キログラム(µg/kg)、25µg/kg、56µg/kgの3種類に振り分けて投与し、プラセボ(偽薬)と比較する。目標集積症例数は約120例、実施施設は15施設を予定し、米国で開始後に、南米でも実施するという。

開発中の治療薬「AV-001」は、血管内皮細胞表面に最も多く表現する膜貫通型タンパク質のTie2受容体を標的としたもので、重度の新型コロナウイルス感染患者や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治療薬として開発が進められている。2021年11月には、同治療薬について米国とカナダの両政府から助成金を獲得した(2021年11月11日記事参照)。

バソミューンのダグラス・ハミルトン社長兼最高経営責任者(CEO)は今回の発表について、「この臨床試験開始は、新規変異株を含む重度の新型コロナウイルスに対する新たな治療法を罹患(りかん)した人や医師に提供できる可能性があり、われわれにとって重要なステップとなる」と述べた。

(大塚真子)

(日本、カナダ)

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