米運輸長官が西海岸港湾を訪問、混雑解消に向けた進捗確認

(米国)

ロサンゼルス発

2022年01月14日

米国のピート・ブティジェッジ運輸長官は1月11日、主要港湾のロサンゼルス港とロングビーチ港を訪問し、混雑解消の進捗状況を確認した。ブティジェッジ長官は港湾の沖で入港を待つ船舶や作業状況を視察し、ロサンゼルスのエリック・ガルセッティ市長やロングビーチのロバート・ガルシア市長などと臨んだ記者会見では、「サプライチェーン関係者の英雄的な努力とパートナーシップのおかげで、貨物の流動状況は改善している。問題の解決は容易ではないが、関係者間の連携、チームワーク、コミットメント、港湾に対する投資意欲を誇りに思う」と述べた。

ロサンゼルス港では、新型コロナウイルスの流行に伴うオンライン消費の加速により、輸入貨物が増加し、空のコンテナを9日以上滞留させた海運会社からの手数料徴収を発表するなど対応に追われている(2022年1月5日記事参照)。なお、ロサンゼルス港とロングビーチ港は港内に滞留する輸入コンテナへの課金の適用開始を1月10日まで延期していたが、さらに17日までの延期を発表している。

連邦政府は2021年11月5日に可決し(2021年11月9日記事参照)、同月15日に成立したインフラ投資法を通じて、港湾の整備に170億ドルを充てることを計画している。また、ロングビーチ港は埠頭(ふとう)Bのオンドック鉄道施設を改修するために5,200万ドルの助成金を獲得しており、今後インフラ投資が進む予定だ。

カリフォルニア州が1月10日に発表した2022年~2023年の予算案(カリフォルニアブループリント)によると、23億ドルを州内のサプライチェーン投資に充てる。そのうち12億ドルは港湾の貨物輸送能力を高める鉄道や道路の事業に支出する見込みだ。なお、1月12日時点で両港の沖では95隻の船舶が入港待ちとなっている。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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