18歳以上の新型コロナワクチン接種の義務化法案、下院で可決

(オーストリア)

ウィーン発

2022年01月24日

オーストリア下院で1月20日、18歳以上(注)に対する新型コロナウイルスワクチン接種義務化法案が賛成137票、反対30票で可決された。連立与党の国民党と緑の党、野党では社民党、ネオスが賛成し、自由党だけが反対した。この結果を受け、2月3日の上院での採決を経て、法制化されることが確実となった。

ワクチン接種義務化法は2月初めに発効し、段階的に実施される。内容は以下のとおり。

(1)第1段階

未接種者は3月14日まで接種する機会が与えられる。3月15日以降、要求に応じて接種証明の提示を義務化する。

(2)第2段階

3月15日以降、個別に接種期限を通達する。警察により屋内外で抜き打ち検査が実施される。

(3)第3段階

ワクチン接種状況は、住民登録簿、接種登録簿、感染症報告システムのデータによって管理され、接種義務を順守していない場合は、地元の行政機関が違反を通告する。違反した場合の罰金は、最高3,600ユーロ。

保健省によると、1月20日時点で国民の72%(約643万人)が有効なワクチン接種証明書を所持している。

(注)妊娠中や、医学的理由で接種できない人、新型コロナウイルス感染から180日未満の回復者は除く。

(田中由美子)

(オーストリア)

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