低炭素排出に向け「グリーン消費促進実施方案」発表、中古車市場の活性化にも期待

(中国)

北京発

2022年01月31日

中国の国家発展改革員会など7部門は1月21日、「グリーン消費促進実施方案」(発改就業〔2022〕107号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した(公布は1月18日付)。同方案は「中国共産党中央委員会、国務院の新発展理念の完全、正確、全面的な徹底によるカーボンピークアウト、カーボンニュートラルの実現と業務に関する意見」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます「2030年までのカーボンピークアウト行動方案」(国発〔2021〕23号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの実施に向けた具体的な施策の一環として位置づけられている。

方案では主要目標として、2025年までにグリーン消費(注)の理念を広めるとともに、奢侈(しゃし)と浪費の抑制、グリーン・低炭素排出製品の市場占有率の大幅向上、重点分野のグリーン消費への転換、グリーン消費様式の普及、グリーン・低炭素、循環発展的概念による消費システムの基礎を形成するとしている。

また、2030年までに、一般市民がグリーン消費様式を自ら選択し、グリーン・低炭素製品をマーケットの主流とするほか、重点分野でのグリーン・低炭素消費モデルの基礎を完成し、グリーン消費制度の政策システムや体制、メカニズムを整備することを掲げている。

目標達成に向けた主な取り組みについて、以下5項目を挙げている。

(1)重点分野におけるグリーン消費モデルへの全面的な転換の促進

(2)グリーン消費への科学技術、サービス面の支援強化

(3)グリーン消費の実行に向けた制度やシステムの構築、健全化

(4)グリーン消費奨励に向けた拘束力ある政策の整備

(5)目標達成に向けた体制などの整備

(2)では、中古車流通拡大のため、中古車の移転登記制限の撤廃政策の推進を挙げている。中国では中古車の省など、行政区画をまたいだ取引や移転登記には各種の制限がある。政府は規制緩和を進めているが(2021年5月6日記事参照)、地方によっては実施が不十分なケースもある。中国自動車流通協会の羅磊副秘書長は今回の方案に盛り込まれた中古車の移転登記制限の撤廃に関する記述について「関連政策の着実な実行を目的としたもの」との見方を示した(「財経雑誌」1月21日)。

公安部によると、2021年の中国の中古車移転登録件数は2,923万件で、新車登録台数(2,622万台)を上回っている。規制撤廃が全国で徹底されれば、中古車市場のさらなる活性化が期待できる。

(注)方案によると、「グリーン消費」は各消費主体が消費活動の全過程で環境保護や低排出の理念を徹底した消費行動と定義されている。

(河野円洋)

(中国)

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