中銀、4カ月連続で政策金利を引き上げ

(ポーランド)

ワルシャワ発

2022年01月12日

ポーランド中央銀行(NBP)は1月4日、政策金利を翌5日より1.75%から2.25%に引き上げることを発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。2014年以降で最も高い金利となり、2021年10月に9年ぶりの利上げに踏み切って以降(2021年10月13日記事参照)、4カ月続けての利上げとなった。政策金利のほか、各種金利の推移は添付資料の表のとおり(添付資料表参照)。

中央統計局(GUS)によると、ポーランドの2021年12月の消費者物価指数(CPI、速報値)の上昇率は前年同月比8.6%、前月比0.9%となった。NBPは、2021年下半期にみられた世界的なエネルギーや農産物の価格上昇、二酸化炭素(CO2)排出枠の価格高騰、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により供給が滞っている商品の価格上昇などが、インフレの加速に影響を与えたと指摘。また、家計所得の増加に支えられた内需拡大を含む継続的な景気の回復も、インフレ率の上昇を推し進めたとしている。

今回のNBPの金融政策決定会合の声明では、景気のさらなる回復と良好な労働市場の状況が続くと予測される中、NBPのインフレ率の目標値2.5%(許容範囲±1%)を上回り続けるリスクを低減するため、再び利上げに踏み切ったとしている。今後数カ月は中期的な物価の安定を確保し、経済状況を考慮しながら中期的にインフレ率をNBPの目標値と一致する水準に引き下げることを目指すとした。

国内経済については、今後数四半期は引き続き良好な状況が続くと予想。ただし、「新型コロナ禍」による国内外経済への影響や、サプライチェーンの混乱、エネルギー価格高騰に関する不確定な要素があると指摘している。

ポーランド経済研究所は、今後数カ月は金利の上昇が続くとし、2022年末までに政策金利は3.5%に上昇すると予測。ING銀行は、12月のCPIの上昇率が8.6%と記録的な高さだったため、2月に再び50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを行うと予想している。

(今西遼香、ニーナ・ルッベ)

(ポーランド)

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