2021年の中国の対内直接投資額、過去最高を更新

(中国)

北京発

2022年01月20日

中国商務部は1月13日、2021年の対内直接投資実行額(銀行、証券、保険は含まず)が前年比14.9%増の1兆1,493億6,000万元(約20兆6,884億8,000万円、1元=約18円)で、過去最高を更新したと発表した。ドルベースでは20.2%増の1,734億8,000万ドルだった。

商務部は2021年の対内直接投資の特徴として、(1)ハイテク産業分野の投資が前年比17.1%増。うちハイテク製造業が10.2%、ハイテクサービス業が19.2%増と高い伸びを示した、(2)「一帯一路」沿線国からの投資が29.4%増、ASEANが29%増と大幅に増加した、(3)国内の地域別では東部地域が14.6%増、中部地域が20.5%増、西部地域が14.2%増となったことを挙げた。

投資促進に向け関連法規の改廃など推進

また、2022年の外資誘致に向けた取り組みについて、商務部は(1)対外開放の拡大、(2)開放プラットフォーム建設の推進、(3)外資系企業や投資プロジェクトへのサービス向上、(4)投資環境のさらなる改善を挙げた。(1)は、2021年版の外商投資参入のネガティブリスト(2022年1月5日記事2022年1月11日記事参照)の着実な実施に向け、関連法規の制定や改正・廃止を進め、先端製造業、現代サービス業、ハイテク、省エネ・環境保護、グリーン・低排出、デジタルエコノミーといった分野や中西部地域への投資を促すとした。(2)については、自由貿易港、自由貿易試験区、国家級経済開発区、サービス業拡大総合モデルパイロット地区といったプラットフォームを構築し、中国国際輸入博覧会、広州輸出入商品交易会、中国国際サービス貿易交易会、中国国際消費博覧会などの大型展示会の活用を進める。(3)では、重点企業・プロジェクトに対する一対一のフォローアップサービス、関係者の入国など企業が直面する問題の解決、(4)は、外商投資法や同法実施条例に合致しない規定の整理などを挙げた。

中国は2021年10月に外資導入に特化した初めての5カ年規画を発表しており(2021年11月9日記事参照)、2025年までの基本方針を示すとともに期間中に累計7,000億ドルの投資誘致を目標としている。

(河野円洋)

(中国)

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