米石油大手エクソンモービル、2050年ネットゼロ目標を採択

(米国)

ヒューストン発

2022年01月19日

米国石油大手エクソンモービル(本社:テキサス州アービング)は1月18日、同社が操業する施設でのスコープ1(注1)とスコープ2(注2)に該当する温室効果ガス(GHG)排出量に関して「2050年ネットゼロ目標」を発表した。

エクソンモービルのダレン・ウッズ会長兼最高経営責任者(CEO)は「エネルギー転換で主要な役割を果たしていく。パートナー企業と連携して世界規模の温室効果ガス削減に取り組む」と述べている。

エクソンモービルは、2030年までのGHG削減目標に基づき、2016年レベルで全部門のGHG20~30%、上流部門のGHG40~50%、メタン強度70~80%、フレアリング強度60~70%をそれぞれ削減するとしている。

エクソンモービルを含む世界の5大石油メジャーは、GHG削減と、メタンのフレアリングの抑制、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)、再生可能エネルギーへの投資など、さまざまな取り組みを行っている。5大石油メジャーの中で、2050年ネットゼロ目標では欧州系3社が先行していた。シェブロンが2021年10月11日に2050年ネットゼロ目標にコミットし(2021年10月15日記事参照)、今回エクソンモービルが2050年ネットゼロ目標にコミットしたことで、全ての5大石油メジャーが2050年ネットゼロ目標にコミットすることになる(添付資料表参照)。

エクソンモービルは2021年4月19日に、ヒューストン地域の石油化学工場から排出されるCO2を回収し、メキシコ湾の海底に貯蔵する1,000億ドル規模の官民共同事業構想を提案している(2021年4月21日記事参照)。同社は2021年12月1日に、2027年までに合計150億ドルを低炭素に投資すると発表している(2021年12月3日記事参照)。

(注1)京都議定書に定められている二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)など6つの温室効果ガスの直接排出量

(注2)エネルギー起源間接排出量

(沖本憲司)

(米国)

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