富裕外国人などを対象とした長期滞在ビザ制度の大枠を閣議承認

(タイ)

バンコク発

2022年01月21日

タイ政府は1月18日の閣議において、富裕外国人などを対象とした長期滞在ビザ(LTRビザ)制度新設について、原則承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。制度新設の背景として、タイ経済に多大な影響を及ぼした、新型コロナウイルスの発生がある。政府は、富裕層の外国人をタイに誘致することで、国内消費や投資の活性化などが期待できるとした。また、国の経済発展に有益な専門家の誘致にもつながると期待される。本制度では、外国人はタイに最長5年間滞在することが許可される。1回の延長につき、最長5年間、滞在期間を延長できるが、計10年を超えてはいけない。なお、制度の詳細は、追ってタイ投資委員会(BOI)が決定する。

本制度について、現時点で判明している、主なポイントは以下のとおり。

  • 特定の外国人の、タイ長期間滞在を許可するビザ(LTRビザ)
  • 有効期間は10年
  • 対象となる外国人は、裕福な世界市民、裕福な年金受給者、タイを拠点として働きたい者、高度な技術を持った専門家。また、その合法的な配偶者および合法的な20歳以下の子供
  • LTRビザ発行には年間1万バーツ(約3万3,000円、1バーツ=約3.3円)の手数料を支払う必要があり、居住報告を許可日から1年ごとに行う
  • 官報掲載日から90日後に発効する

また、LTRビザ保有者は、労働許可証を申請することが可能だ。労働許可証の申請後は、許可を待たずに就労を開始することができる。労働許可証の有効期間は最長5年間だが、雇用主を有する外国人は、雇用契約で定める雇用期間に従う。最長5年の延長が可能。

他方、雇用主のない外国人は、本人の希望によるが、労働許可証が発行された日から5年間有効で、本人の希望に応じて最長5年の延長が可能。なお、LTRビザの期間が満了した時点で、労働許可証も無効となる。

LTRビザの取得を希望する外国人は、まずBOI、タイ大使館、総領事館などに在留資格認定証明書を申請する必要がある。本資格認定証明書を取得した後、LTRビザを申請することができる。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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