2021年12月の失業率は4.2%に改善

(オーストラリア)

シドニー発

2022年01月21日

オーストラリア統計局(ABS)は1月20日、2021年12月の雇用統計を発表し、失業率(季節調整値)が前月より0.5ポイント低下して4.2%となったことを明らかにした。世界金融危機下の2008年8月(4.0%)以来の最低水準を記録した。新型コロナウイルス対策の制限措置が緩和されたニューサウスウェールズ(NSW)州やビクトリア(VIC)州を中心に、労働市場の回復がより一層進んだ。

就業者数は、フルタイム労働者が4万1,500人増、パートタイム労働者が2万3,300人増とどちらも増加し、前月比0.5%増の1,324万2,000人だった。失業者数は6万2,200人減少して57万4,400人、月間総労働時間は1.0%増加して18億1,900万時間となった。労働参加率は横ばいの66.1%だったが、不完全雇用率は0.8ポイント低下の6.6%、労働力の未活用率は1.3ポイント低下の10.8%と大きく改善した。

失業率を州別にみると、首都特別地域(0.7ポイント悪化の4.5%)で悪化した以外は、全ての州で改善した。タスマニア州(1.2ポイント改善の3.9%)で大きく改善したほか、南オーストラリア州(0.7ポイント改善の3.9%)、NSW州(0.6ポイント改善の4.0%)、VIC州(0.5ポイント改善の4.2%)、西オーストラリア州(0.4ポイント改善の3.4%)、北部準州(0.2ポイント改善の4.2%)、クイーンズランド州(0.1ポイント改善の4.7%)で改善が見られた。

ABSは「11月の大幅な回復(2021年12月17日記事参照)に続き、さらなる回復傾向が見られたが、今回の雇用統計の調査対象期間(11月28日~12月11日)以降に、国内で新型コロナウイルスのオミクロン型変異株の感染が急拡大したことに留意する必要がある」と説明した。

(住裕美)

(オーストラリア)

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