マクニカ、アスクルECサイトにインド発AIを導入

(インド)

ニューデリー発

2022年01月24日

半導体、ネットワーク、サイバーセキュリティ、AI/IoT(人工知能/モノのインターネット)におけるトータルサービス/ソリューション・プロバイダーのマクニカは2021年12月21日、本社をインドのベンガルールに置く関係会社クラウドアナリティクスが開発した「重要属性スコアリングAI」を、事業所向け通販サービスなどを手掛けるアスクルのEC(電子商取引)サイトに提供外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしたことを発表した。本ツールは、対象商品購買の決め手となる属性項目(商品仕様)を、ウエブサイト上のデータとアスクルのECサイトのデータの両方から取得し、それぞれの重要度を数値化して抽出するものだ。

従来は、それぞれの商品カテゴリーごとに購買の決め手となる情報(「容量」「長さ」「どのような場面で使うか」など)を、コストや工数をかけて収集する必要があった。本ツールを導入することで、多岐にわたる専門商材に対して、AIによる新たな属性項目の発見、検索項目の最適化、属性項目の並び順の最適化が可能となる。結果として、さらなるユーザーニーズの把握、必要となる属性情報整備の効率化などの実現が期待できる。

画像 サービスイメージ図(マクニカ提供)

サービスイメージ図(マクニカ提供)

今回のAIサービスを開発したクラウドアナリティクスは、2010年にインド・ベンガルールにおいて設立された企業で、クラウドサービスの実装から、モデルの運用・メンテナンスまでを一貫して手掛けている。同社は、これまでも大手米国企業のECサイトなどへの豊富なAI導入実績を有しており、2017年にマクニカと代理店契約を締結。2019年に、データサイエンスならびにAIの実装力を戦略的に強化したいと考えていたマクニカの関係会社となった。世界50カ国、2万6,000人以上が参加する、クラウドアナリティクス独自のデータサイエンティストのコミュニティを有していることが特徴だ。今後も、このコミュニティを活用することで高精度AIモデルの開発を行うとともに、マクニカが伴走型パートナーとなるかたちで、企業のAI実装のサポートを行っていきたいとしている。

マクニカに2022年1月6日にヒアリングしたところ、同社は社内カンパニー制を採用しており、主業である半導体事業のほかに、ネットワーク・セキュリティー事業、スマートファクトリー事業、AI事業などを手掛けている。同社によると、従業員の3割程度がエンジニアで、技術志向が高いことが顧客の課題解決に対する強みとなっているという。

(高際晃平)

(インド)

ビジネス短信 84cb7d9ae39cc1fa