大連国際空港、防疫措置を強化して輸入貨物取り扱い再開

(中国)

大連発

2022年01月11日

中国の大連国際空港を運営する大連国際空港集団は1月6日、同空港の輸入貨物の処理プロセス調整が完了したとし、同日付で同空港に到着する国際クーリエ便と貨物輸送業務の取り扱いを再開すると各航空会社に通知した。

同空港の国際輸入貨物の現在の処理プロセスに防疫上の一定のリスクがあるとして、12月22日から航空貨物輸入業務の取り扱いを暫定的に停止していた(2021年12月24日記事参照)。これにより、各航空会社が同空港向け貨物の新規予約を一時停止したため、日系企業は自社の輸入貨物を青島市や天津市など近隣の空港に振り替えるなど、対応に追われていた。

こうした状況を踏まえ、大連進出日系企業で組織する大連日本商工会は会員企業から意見を集め、大連市政府に対し速やかに取り扱いを再開できるよう要請した。商工会の要請を受け、同市政府は新型コロナウイルス感染対策の体制を整備・強化した上で輸入業務を速やかに再開するよう同空港の運営会社等関係者と協議していた。

物流関連企業などによると、取り扱い再開に当たり、大連市サイドは輸入貨物を入庫する倉庫数や入庫検査員数の削減、輸入貨物待機場の増設(輸出貨物との接触回避)、貨物のPCR検査や消毒作業のさらなる強化など防疫対策を徹底した上で再開に踏み切ったもようだ。

再開通知を受け、大連空港では輸入貨物受け入れを徐々に始めている。物流業者によると、「1月6日時点で、自社で取り扱っている輸入貨物が十数件ほど大連に到着しているが、防疫対策の強化により、通常より出庫が遅れている。これまでは、航空便が到着した翌日には貨物の配送が開始できたが、状況を踏まえると翌々日か、場合によってはさらに遅れが出てくる可能性もある」という。

また、電子部品関連企業は「12月の停止通知を受け、自社の航空貨物の輸入は近くの空港に振り替えていた。すぐには再開できないことを前提に入荷スケジュールを組んでいたため、少なくとも1週間程度は振り替えたルートでの輸入が続く見込み」と指摘している。

(高文寧)

(中国)

ビジネス短信 83b89e0ca62bc0c9