一部の牛肉部位の輸出禁止・制限措置、2023年末まで継続

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年01月19日

アルゼンチン政府は1月3日、一部の牛肉部位の輸出を2023年12月31日まで禁止すると発表した。牛肉輸出については、2021年5月に特定部位の輸出停止や制限を行う措置を導入しており、2021年末まで継続していた(2021年9月8日記事参照)。

1月3日に公布した政令911/2021号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによる今回の措置は以下のとおり。

  1. 生鮮・冷蔵・冷凍牛肉の枝肉、半丸枝肉、骨付き前部四半部、骨付き後部四半部などの輸出を2023年12月31日まで禁じる。
  2. 生鮮・冷蔵・冷凍で国内消費者が好む牛肉部位のうち、骨付き・骨なしアサード(プレートの部位)、ファルダ(ナーベル)、マタンブレ(ロウズ)、タパ・デ・アサード(プレートキャップ)、クアドラーダ(フラット)、パレタ(ブレード)、バシオ(フランク)の輸出を2023年12月31日まで制限する。

また、同日付で公布した農牧水産省決議第301/2021号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、主に中国に輸出する品質の低い牛肉のカテゴリーDとE、雄牛の肉などの輸出は許可するとしている。関連業者には引き続き「肉類輸出の宣誓供述書(DJEC)」(2021年5月10日記事参照)の提出を義務付ける。

国内の農業関連団体は「政府の措置は国内の牛肉産業の発展を全く考慮していない。発展を阻害する短期的視点の措置でしかない」と政府の決定を強く批判している(1月3日付の現地紙「アンビト」電子版)。1月14日付の現地紙「インフォカンポ」などによると、2021年の国内の牛肉平均価格は60.7%上昇し、年間インフレ率の50.9%(2022年1月17日記事参照)を上回った。また、2021年の1人当たり年間牛肉消費量は47.6キロで、15年前の68.7キロと比較すると30%減少した。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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