インドネシアの自動車販売台数、前年比66.8%増の88万台

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年01月24日

インドネシア自動車製造業者協会(ガイキンド)は1月12日、2021年のインドネシアにおける自動車販売台数などのデータを発表した(添付資料表参照)。自動車販売台数(卸売り)は88万7,202台と、前年比で66.8%の増加になる一方、「新型コロナ禍」前の水準である100万台規模への回復には至っていない。

自動車販売台数の内訳は、乗用車が前年比69.7%増の65万9,806台、商用車が58.9%増の22万7,396台だった。ブランド別では、トヨタが29万5,768台の1位で、シェアは33.3%となった。続く、ダイハツ(16万4,908台)や三菱自動車(10万7,605台)なども含めた日系ブランド上位7社で、市場全体の91.7%のシェアを占める結果となった。日系ブランド以外では、中国のウーリン(五菱)が前年の3.9倍の2万5,564台となり、市場でのシェアを徐々に拡大している。自動車生産台数は112万1,967台で、62.6%増となった。完成車の輸出台数は29万4,639台と、26.9%増加している。

ガイキンドのヨンキー・スギアルト副会長は、2022年の自動車販売台数を90万台と予測した上で、「奢侈(しゃし)税減免による消費者需要の喚起が重要となる」と述べた(「テンポ」1月13日)。インドネシアでは2021年の時限的措置として新車購入時の奢侈税が減免されていたが(2021年3月4日記事参照)、工業省は1月18日、2022年については第1四半期(1~3月)に限り、販売価格が2億~2億5,000万ルピア(約162万~202万5,000円、1ルピア=約0.0081円)の車種に対し、奢侈税を50%軽減すると発表した(工業省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

電気自動車の販売台数は拡大

バッテリー電気自動車、ハイブリッド車などを含む電気自動車の2021年における販売台数は3,193台で、前年比で2.2倍となった。一方、自動車全体の売り上げに占める割合は0.35%にすぎない。ガイキンド事務局長のクク・クマラ氏は「インドネシアにおける四輪車の購買力は、3億ルピア以下が一般的だ」とした上で、「電気自動車の平均価格は6億ルピア以上で、購入可能な層は限られている」と指摘する(「デティック」2021年12月24日)。

(上野渉)

(インドネシア)

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