米カリフォルニア州知事、新型コロナ検査キットの価格上昇を規制する知事令を発令

(米国)

サンフランシスコ発

2022年01月17日

米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は1月8日、新型コロナウイルスの自宅検査キットの価格上昇を規制する知事令に署名外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同知事令は即日有効となった。同州では、オミクロン株などによる新型コロナウイルスの感染拡大で、検査施設での検査需要に加えて、自宅で使用できる検査キットの需要も拡大している。品切れしている小売店も少なくなく、検査キットが手に入りにくい状況がみられる。検査キットの標準的価格は、10~30ドル程度といわれる。

写真 検査キットの品切れを示す張り紙(ジェトロ撮影)

検査キットの品切れを示す張り紙(ジェトロ撮影)

知事令では、自宅検査キットを販売する個人や企業などに対して、3月31日まで原則、2021年12月1日時点で販売していた最高価格の10%を超える価格で販売することを禁じた。また、12月1日時点で検査キットを販売していなかった個人や企業などについては、原則3月31日まで、調達した価格の50%を超える値段での販売を禁じた。同州司法長官オフィスによると、同知事令への違反は、最高1,000ドルの罰金、または最長6カ月の懲役、またはその両方が科される可能性がある。また、不公正競争法の違反により、違反1件につき2,500ドルの民事罰の対象にもなり得る。

また、ニューサム知事は1月8日、27億ドルの新型コロナウイルス緊急対策パッケージを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。その中の主要項目の1つが検査体制の拡充で、12億ドルが計上されている。検査会場の営業時間や体制の拡大のほか、地方の公衆衛生局や地域のクリニック、学校などへの数百万個の抗原検査キットの配布などに充てる。

新型コロナに関連した有給病気休暇の再法制化に意欲

ニューサム知事は1月10日の会見で、新型コロナウイルスに関連した有給病気休暇にかかる政策を議会と議論していると発言した。同州では2021年3月末、新型コロナウイルスに関連した理由で勤務(リモートワークを含む)ができない従業員に、追加の有給病気休暇の取得を可能にする州法が発効したが、同法律は9月30日で期限切れとなった(2021年4月23日記事参照)。知事は「対象事業者の従業員規模など多くの検討事項はあるが、有給病気休暇の法制化は最優先事項だ。有給病気休暇は、最前線で働く労働者をはじめ全ての人に有益だ」などとコメントし、再法制化に意欲を示した。

(石橋裕貴)

(米国)

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