フランス政府、観光関連セクター向け支援措置を発表

(フランス)

パリ発

2022年01月07日

フランス経済・財務・復興省は1月3日、新型コロナウイルス感染拡大に伴い打撃を受けた観光関連セクターを対象とした企業支援措置PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。一時帰休制度と固定費支援の2つが柱となる。

固定費支援については、外食・宿泊、イベント、ケータリングを含む観光関連セクターにおいて、2021年12月の売上高が「新型コロナ危機」前の2019年同月比で50%以上減少した企業に対し、損失額の90%(従業員50人以上の企業は70%)を支給する。同措置は、2022年1月も継続される。

感染拡大防止のため営業が禁止されたナイトクラブについては、12月と1月の損失額を100%支援する。支援金額が5万ユーロ未満の企業が数日内で受給できるよう、管轄部署の担当者数を5割増員して手続きを迅速化する。

一時帰休制度については、観光関連セクターで売上高が65%以上減少した企業や、立食の禁止や文化関連施設における飲食禁止といった感染拡大防止に関わる規制が適用された企業に対し、休業手当を100%国が負担する特別措置を適用する。

ブリュノ・ル・メール経済・財務・復興相は1月5日のラジオ局RTLのインタビューで、「新型コロナ危機」下で政府保証が付いた特別融資(PGE)を利用した69万7,000社のうち、今春にも返済期限を迎える2万5,000~3万社について、返済が困難な零細企業を対象に返済猶予期間の6カ月延期や返済期間の最長6年から10年への延長といった救済措置を実施する意向を示した。

なお、フランスにおける新型コロナウイルスの感染者数は、オミクロン株が主流化するなか年末から急増し、1月5日に初めて30万人を超えた。政府は、隔離対象者の急増が経済活動に及ぼす影響を懸念し、1月3日から感染者や濃厚接触者の自主隔離期間を短縮外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

ワクチン接種を完了している感染者の自主隔離期間は、従前の10日間から7日間に短縮され、抗原検査またはPCR検査で陰性で無症状となれば、最短5日間で隔離を終了できる。ワクチン接種を完了している濃厚接触者は、抗原検査またはPCR検査による陰性判定を条件に隔離不要となった。ワクチン接種を完了していない感染者と濃厚接触者は、それぞれ10日間(検査で陰性で無症状となれば最短7日間)と7日間の隔離が必要となる。

(山崎あき)

(フランス)

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