スイス政府、インフレ率の実績と見通しを発表

(スイス)

ジュネーブ発

2022年01月11日

スイス連邦統計局は1月4日、2021年の平均インフレ率は前年比0.6%と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。主に石油製品と住宅賃料の高騰によるもので、海外パッケージツアーや医薬品の価格は低下した。国産品の価格は平均0.3%上昇し、輸入品の価格は平均1.5%上昇した。2019年と2020年の平均インフレ率はそれぞれ、0.4%とマイナス0.7%だった。

また、2021年12月の消費者物価指数は、前月比で0.1%下落した。その要因については、灯油価格と燃料価格の下落に伴う航空輸送価格の下落などとした。一方、レンタカー代やホテル滞在費、中古車の価格は上昇した。

これに先立つ2021年12月16日には、スイス国立銀行(SNB)が、インフレ率について2021年に0.6%、2022年に1.0%、2023年に0.6%、それぞれ上昇するとの見通しを示していたPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。石油製品価格の上昇や国際サプライチェーンの停滞による輸入品価格の上昇により、2022年のインフレ率は2021年より若干上回る見通しだ。この見通しは、政策金利がマイナス0.75%で推移することを前提としている。SNBのトーマス・ジョルダン総裁は同日の記者発表で、通貨スイス・フランの価値が高水準なことを認めた上で、「ここ数カ月のスイス・フランの上昇により、スイスの物価上昇は比較的低い水準に抑えられていた」と述べ、強いスイス・フランが輸入価格の上昇によるインフレを抑制している、との見解を示した。

(竹上嗣郎)

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