第4次ルッテ内閣が発足、民間からも閣僚へ登用

(オランダ)

アムステルダム発

2022年01月18日

オランダの第4次マルク・ルッテ内閣が1月10日に発足し、閣僚リストが発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた(添付資料表参照)。2021年12月15日に前政権と同じ自由民主国民党(VVD)、民主66党(D66)、キリスト教民主同盟(CDA)、キリスト教連合(CU)の4党による連立政権の合意が成立し(2021年12月24日記事参照)、組閣が進められたものだ。

新内閣には、VVDからルッテ首相含む8人、D66から6人、CDAから4人、CUからは2人の入閣となった。閣僚20人のうち、女性が10人と半数を占めたのが特徴だ。前政権ではVVD以外の与党3党の党首は入閣しなかったが、今回は3人とも入閣し、副首相に就いた。その中でも、連立に至る過程で最も活躍したといわれるD66のシフリット・カーフ党首が、重要な財務相のポストを得た。

注目されるのは、民間からの登用となった2人。世界的な物理学者のロベルト・ダイクフラーフ教育・文化・科学相と、新型コロナウイルス対応で重要な役割を果たした全国救急医療ネットワーク会長のエルンスト・カイパース保健・福祉・スポーツ相だ。

新政権の合意文書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに記された方針に沿って、貧困政策・参加・年金相、住宅・国土計画相、気候・エネルギー政策相、自然・窒素政策相の4ポストが新設された。新政権の最大のテーマである気候変動とエネルギー、国民の大きな関心事である住宅問題などへの対応を強化するためだ。

新内閣に対する国民の期待は必ずしも高くない。オランダ放送協会(NOS)の1月10日付報道によると、I&O Researchが実施した世論調査において、新内閣を「大いに信頼する」とした回答が2%、「信頼する」が27%だったのに対し、「あまり信頼できない」が40%、「全く信頼できない」が25%となった。新内閣が取り組むべき課題としては、住宅問題がトップで、ヘルスケア、気候変動が続いた。信頼のおける閣僚としては、民間から登用されたダイクフラーフ教育・文化・科学相とカイパース保健・福祉・スポーツ相の2人が挙げられた。

(下笠哲太郎)

(オランダ)

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