新型コロナ対応策「プランB」を継続、水際対策は緩和

(英国)

ロンドン発

2022年01月06日

英国のボリス・ジョンソン首相は1月5日、英国議会での声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、新型コロナウイルス感染対応策「プランB」(2021年12月9日記事参照)の継続を発表した。これにより在宅勤務の勧告や、ホスピタリティー施設などを除く屋内施設でのマスク着用義務化、大規模イベントなどの入場時のワクチン接種証明書もしくは迅速抗原検査の陰性証明書の提示義務付けなどの措置が継続されることとなった。3週間後の1月26日までに見直しを実施する予定だ。一方、ジョンソン首相は、市民や企業への影響が大きいロックダウンについては導入を否定し、ワクチンのブースター接種や国営医療サービス(NHS)の強化で対応するとした。

また、変異型のオミクロン株拡大に伴い、検査能力が圧迫されていることを受けた対応策も発表した。1月11日以降、迅速抗原検査で陽性となった場合に従来実施していた確認用のPCR検査を停止するとした。

国外からのオミクロン株流入による感染防止のために導入した水際対策についても、国内でのオミクロン株の感染拡大の状況や、観光業への影響などを踏まえて緩和(政府ガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)するとした。また、1月7日午前4時(英国時間)以降にイングランドに到着する場合は、渡航前検査と到着時の自主隔離義務を免除。1月9日午前4時以降に到着する場合は、入域2日目以内のPCR検査を迅速抗原検査で代替することを認めるとした。いずれも、ワクチン接種完了者が高リスク以外の国・地域から渡航する場合が対象となる。迅速抗原検査で陽性となった場合には、自主隔離の上、確認用のPCR検査が必要となる。ワクチン接種完了者として認められる対象国・地域についても拡大し、1月10日午前4時以降、16カ国・地域を追加する。ウェールズ自治政府も同様の措置を導入する。スコットランド、北アイルランド自治政府については、1月5日午後7時時点で未発表となっている。

感染者数は急増も、ブースター接種は進展

英国では新型コロナウイルス感染者数が急増しており、1月4日には初めて新規感染者数が20万人(報告日ベース)を超えた(注)。一方、ワクチンの3回目接種(ブースター接種を含む)は進んでおり、1月4日時点で12歳以上の人口の6割超が接種済みとなっている。

(注)1月4日の数値には、北アイルランドの1月1日から3日、ウェールズの1月3日の数値も含む。

(山田恭之)

(英国)

ビジネス短信 227070b323f5625f