地場銀行の決算、通貨チャット安により好調か

(ミャンマー)

アジア大洋州課

2022年01月21日

ミャンマーのヤンゴン証券取引所に上場している地場のファーストプライベート銀行(First Private Bank)とミャンマー市民銀行(Myanmar Citizens Bank)の2020/2021年度決算(2020年10月1日~2021年9月30日)が発表された(ファーストプライベート銀行の決算資料PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)ミャンマー市民銀行の決算資料PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

ヤンゴン証券取引所は2014年に大和総研と日本取引所グループ、ミャンマー経済銀行の3社の合弁で設立され、現在までに銀行2社を含む7社が上場している。2020年3月には外国人の売買も解禁した。

ファーストプライベート銀行については、損益計算書の税引き後利益が51億チャット(約3億2,640万円、1チャット=約0.064円)で、前期より11億チャットの増加(約22%増)となっている。融資や預金の減少に伴う正味利息収入の減少や、顧客に対する債権の貸し倒れ処理の増加が減益要因になったものの、為替決済・外貨資産の換算差益の増加がそれを上回り、税引き後利益の増加につながっている。

2021年2月1日の国軍による全権掌握後、国際機関や日本を含む国外からの経済援助が停止し、外国直接投資や輸出が落ち込んだ。その結果、外貨の流入が著しく減少し、チャット安が進んだ。実際に2019/2020年度の決算日の2020年9月30日と2020/2021年度の決算日の2021年9月30日の為替レートはそれぞれ、1ドル=1,308チャット、1,927チャットと、1年で約47%も変動した。その影響が銀行の決算にも反映された。

もう1社のミャンマー市民銀行の税引き後利益は15億チャットで、前期の58億チャットの赤字から改善している。顧客に対する貸倒引当金の繰入額が前期より減少したことや、貸倒引当金戻入益の発生により税引き前利益が52億チャット増加したことが要因。政変前の新型コロナウイルス感染拡大第1波の際に、既に顧客に対する債権の貸し倒れを多く見込んでおり、それが前期の決算に反映されていたことなどが考えられる。

ミャンマーには、上場している銀行よりも規模が大きく、多くの支店を有している地場銀行が幾つかあるが、上場していないため決算は公表されていない。これらの銀行は外国企業との取引も多く、外貨資産を多く保有していると考えられる。従って、決算規模では、前者のファーストプライベート銀行より大きいと考えられる。ただし、決算上は好調に見えるものの、キャッシュフローを踏まえた経営実態は不透明な部分も多く、財務諸表の見方には注意が必要である。

(アジア大洋州課)

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