回答企業の5割強が貿易協定を利用、2021年度カナダ進出日系企業実態調査

(カナダ)

米州課

2022年01月05日

ジェトロが2021年9月に実施したカナダ進出日系企業実態調査で貿易協定の活用状況について聞いたところ、回答企業の貿易協定利用率は51.5%となり、輸出または輸入を行っている企業の貿易協定利用率は54.8%だった。

回答企業のうち、カナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA)を利用している企業の割合は46.8%、日本との貿易で環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)を利用している企業は37.7%だった。また、カナダからの輸出における貿易協定利用率については、米国(CUSMA)が33.3%、日本(CPTPP)が21.6%と高かった。一方、カナダへの輸入における貿易協定利用率については、米国(CUSMA)が44.2%、日本(CPTPP)が37.0%、メキシコ(27.3%)の順で高かった。

輸出または輸入を行っている企業の利用率をみると、CUSMAの利用率が55.8%で、日本(CPTPP)の利用率は45.5%だった。CUSMAの利用率については、特にメキシコとの貿易での利用率が78.6%と高かった。カナダからの輸出における利用率には、メキシコ(CUSMA)が80.0%、米国(CUSMA)が64.0%、日本(CPTPP)は61.5%と続いた。一方、カナダへの輸入における利用率については、メキシコ(CUSMA)が81.8%、米国(CUSMA)が56.1%、日本(CPTPP)は45.9%だった。

貿易協定が及ぼす影響について聞いたところ、「プラスの影響」と回答した割合はCPTPPで53.6%、CUSMAで50.0%だった。CPTPPでは、非製造業(57.1%)の方が製造業(50.0%)よりも「プラスの影響」が高かったが、CUSMAについては、製造業(53.3%)の方が非製造業(46.2%)よりも高かったが。影響を受ける具体的な内容としては、「関税の撤廃や削減」(販売会社)、「調達費用の低減による、収益性の改善」(自動車等部品)、「輸入関税減による原価低減」(販売会社)などが挙げられた。

活用している情報収集先については、「官公庁や公的機関、商工会議所・商工会」が58.1%で最も多く、「親会社、国内主要取引先」(43.0%)、「国内関係事業者」(40.9%)が続いた。

(滝本慎一郎)

(カナダ)

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