43県が上級警戒レベルに指定、感染増加で50歳以上のブースター接種を事実上の義務化

(ペルー)

リマ発

2022年01月18日

ペルー首相府(PCM)は1月16日、1月17日から30日までの新型コロナウイルスの新たな地域別感染警戒レベルの改定を行う大統領令第005-2022-PCM号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布した。今回の改定では、全国レベルでの感染者数の増加に伴い、前回より18県多い43県(14州)が4段階中3番目に警戒レベルの高い「上級警戒レベル」に指定された。一方で、強制外出禁止令(戒厳令)の対象時間は、「上級警戒レベル」ならびに2番目に警戒レベルの高い「最上級警戒レベル」において、前回より1時間短縮されている。さらに、各施設の収容率についても、前回改定で規制強化された最も警戒レベルの低い「中級警戒レベル」と「上級警戒レベル」において、収容率が引き上げられるなどの緩和策が講じられている。なお、水際対策については、引き続き南アフリカ共和国とボツワナからの非居住者の入国が1月30日まで禁止されている(その他の各種規制内容は添付資料表参照)。

また、今回の改定で政府は、50歳以上の人を対象に3回目のワクチン接種(ブースター接種)の事実上の義務化に踏み切った。1月23日以降、3回のワクチン接種を完了した証明書の提示がなければ、50歳以上の人は全ての屋内施設への入場が認められなくなる。さらに、公共交通機関においては、50歳以上の運転手や料金徴収係も3回接種の証明書がない場合は業務に従事することができなくなる。一方、乗客の場合は、県をまたぐ陸路・空路それぞれの国内公共交通機関を利用する50歳以上の人には3回接種の証明書が求められるが、こちらは3回目が未接種の場合でも、搭乗48時間以内のPCR検査陰性証明書があれば搭乗が認められる。なお、ワクチン証明書の提示の際には身分証明書の提示もあわせて求められる。

国立保健研究所(INS)によると、2022年第1週(1月1週目)におけるオミクロン株の割合は100%に達しており、既にデルタ株と置き換わったことが判明している。感染力が強いといわれる同変異株のまん延により、ペルーでの感染者数は1月15日時点で1日当たり1万9,955人、1週間当たりの平均感染者数が4万3,592人と2021年末から急速な増加傾向にある。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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