フランス大手による新たな大規模グリーン水素プロジェクト

(チリ)

サンティアゴ発

2021年12月07日

チリのエネルギー省は12月2日、フランス再生可能エネルギー大手エレングループ傘下のトタル・エレンが主導する新たなグリーン水素プロジェクト「H2マガジャネス」の詳細を明らかにした。同プロジェクトでは、チリ最南のマガジャネス州サン・グレゴリオにおいて、最大容量10ギガワット(GW)の風力発電施設と8GWの電気分解施設を建設する。また、海水の淡水化施設、アンモニア(NH3)の生産工場、さらには、生産されたアンモニアを国内外へ輸送するための港も併設される予定で、これまで発表された国内のグリーン水素関連のプロジェクトの中では最大規模のものとなる。

トタル・エレンは「H2マガジャネス」の発表に先立って、11月10日に地元のマガジャネス大学との協力合意書を締結している。今後、両者はエネルギー省の指針にのっとり、同プロジェクトの環境への影響の調査や、地元民をプロジェクトへ参画させる計画について検討を行うことにしている。

グリーン水素の「中心地」としてのマガジャネス州

「H2マガジャネス」の着工は2025年、操業の開始は2027年が予定されている。その舞台であるマガジャネス州は、風力発電に適した気候の特性から、チリにおけるグリーン水素プロジェクトの中心地となりつつある。同州内のグリーン水素プロジェクトは、「H2マガジャネス」を含め、現在まで4件が計画されているが、最も早くに発表されたHIF(Highly innovative Fuels)によるE燃料の生産プラントの稼働は、順調にいけば2022年中と発表されている(2021年5月18日記事参照)。2021年2月にエネルギー省から発表された試算結果によれば、マガジャネス州における風力発電によるグリーン水素の生産ポテンシャルは、全世界の生産量の13%にも相当すると評価されており、今後も欧州各国を中心に高い関心を集める投資先となりそうだ。

(佐藤竣平)

(チリ)

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