10月の失業率はEUで横ばい、ユーロ圏で前月比0.1ポイント改善

(EU、ユーロ圏)

ブリュッセル発

2021年12月06日

EU統計局(ユーロスタット)の12月2日の発表(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、10月の失業率(季節調整済み)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、EU27カ国全体で前月から横ばいで6.7%、ユーロ圏19カ国では前月から0.1ポイント改善し、7.3%だった(添付資料表参照)。EU全体では前月に引き続き、2020年5月以降で最も低い失業率となる。

10月の失業率を加盟国別にみると、チェコが2.6%と最も低く、次いでオランダ(2.9%)、ドイツ(3.3%)が続いた。1月以降、チェコに次いで低い失業率を維持してきたオランダでは、2021年第3四半期以降の経済支援パッケージの終了に伴い雇用が調整され、今後、失業率が悪化する可能性が指摘されている(2021年8月26日記事参照)。

最も高い失業率はスペインの14.5%だった。失業率が前月から改善した加盟国は、クロアチア(0.3ポイント低下)などの10カ国だった。他方、失業率が前月から悪化した加盟国は、オーストリア(0.6ポイント上昇)やキプロス(0.4ポイント上昇)などの6カ国だった。

若年層の失業率は改善傾向が続く

10月のEU27カ国の失業者数は1,431万2,000人で、前月比で7万7,000人減、そのうちユーロ圏は1,204万5,000人で、前月比で6万4,000人減となった。同月の25歳未満の若年層の失業者数は、EUで290万5,000人となり、このうち236万7,000人がユーロ圏の失業者だった。若年層の失業者数の増減を前月比でみると、EUでは2,000人の減少、そのうちユーロ圏で9,000人の減少となった。

若年層の10月の失業率は、EU全体とユーロ圏ともに前月からそれぞれ0.1ポイント、0.2ポイント改善し、ともに15.9%となった。EUとユーロ圏の若年層の失業率はともに2021年5月以降、改善傾向が続いており、今回は2020年4月以降で最も低い失業率になった。

若年層の失業者数を加盟国別にみると、フランス(60万4,000人)、スペイン(50万4,000人)、イタリア(42万6,000人)が引き続き大部分を占めた。3カ国の若年層失業率はそれぞれ18.6%、30.3%、28.2%となり、前月からそれぞれ1.0ポイント、0.4ポイント、1.4 ポイントの改善となった。若年層失業率が最も低かったのは、ドイツの6.5%で、最も高かったのはギリシャの33.2%だった。

(大中登紀子)

(EU、ユーロ圏)

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