第3四半期GDP成長率は前期比マイナス3.7%
(ニュージーランド)
シドニー発
2021年12月16日
ニュージーランド統計局は12月16日、2021年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率が前期比マイナス3.7%だったと発表した。デルタ型変異株による市中感染が拡大し、新型コロナウイルス感染対策の制限措置が長期化した影響から、史上2番目に大きな落ち込み幅を記録した。前年同期比ではマイナス0.3%だった。
産業別にみると、小売り・宿泊業(前期比13.3%減)、芸術・余暇その他(11.9%減)、建設業(9.6%減)が大きく落ち込んだほか、製造業(7.6%減)、鉱業(5.3%減)、教育・訓練(4.2%減)、輸送・倉庫業(3.3%減)、農林水産業(2.8%減)など、多くの業種で減少した(添付資料表参照)。
同国では、8月18日から新型コロナウイルスに対する警報レベルを最高位のレベル4に引き上げ、全国では14日間、最大都市オークランドではさらに21日間、ロックダウンが課された。そのため、サービス産業が大きく影響を受けたほか、建設活動なども一時中断を余儀なくされた。
グラント・ロバートソン財務相は「第3四半期の縮小は予想していたことで、第1四半期(1~3月)から第2四半期(4~6月)にかけて築き上げた力強い経済成長や、政府の支援策が奏功し、衝撃を和らげることができた」と述べた。また、「新たに導入した信号システム(注)の下で制限緩和が進み、経済回復は加速化する」との見通しを示した。なお、ロバートソン財務相は12月15日に発表した最新の経済見通しの中で、第4四半期(10~12月)のGDP成長率は3.7%に回復すると見込んでいる。
(注)ニュージーランドでは、12月3日から新たな制度「COVID19プロテクション・フレームワーク」を導入。同制度は、ワクチン接種証明書の使用によって、飲食店やジムの利用、イベントの開催などを広く認める方針で、緑、オレンジ、赤の3段階からなる信号システムを用いる(2021年11月29日記事参照)。
(住裕美)
(ニュージーランド)
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