NEXCO中日本、米テキサス州で道路の舗装健全度評価業務を受注

(米国)

ヒューストン発

2021年12月28日

中日本高速道路(NEXCO中日本)は12月22日、米国現地法人NEXCOハイウェイ・ソリューションズ・オブ・アメリカ(NHSA、テキサス州アービング)がテキサス州内の自治体から人工知能(AI)を活用した道路の舗装健全度を評価する業務を受注したことを発表した。発注したのはテキサス州のアナ、ハミルトン、ホワイツボロの3市。

NHSAが提供する舗装健全度評価ソリューション「スマート・ぺイブメント・マネジメント」は、道路のうち補修を要する箇所を分かりやすく把握するシステムだ。まず、市販のアクションカメラを搭載した車で評価対象地域の道路を撮影する。さらに、AIを使って舗装の損傷を種類ごとに検知し、これらの情報を基に舗装の健全度を5段階で評価、色分けで表示するとともに、補修の優先順位や工法についても簡易的な提案を行う。これを顧客がオンラインマップ上で確認して補修計画を立案する。

本サービスを活用することで、道路管理者の自治体が道路維持管理計画の立案や意思決定を今までよりも効率的、迅速に行えるようになる。

現在も一般的に行われている舗装状況の確認方法は、撮影した膨大なデータを直接目視で確認し、危険な箇所を探し出すというものだ。この場合、見極めが可能な熟練スタッフが必要で、人件費や時間など多くのコストがかかる。NHSAの技術は、NEXCOがこれまで長年蓄積してきた熟練スタッフの力を活用している。

NHSAプレジデントの柚本英光氏は「11月に成立したインフラ投資雇用法では、道路インフラの整備予算が計上されている。老朽化した道路の補修が効率よく行われるよう、当社の技術で貢献していきたい」と語る。

NHSAは2020年2月1日、米国での道路管理ソリューション提供業務を開始し(2020年1月31日記事参照)、これまでテキサス州を中心に販路開拓を進めていた。

写真 AIで検知した道路の損傷。緑は極めて良好、赤は大規模補修が必要(NEXCO中日本提供)

AIで検知した道路の損傷。緑は極めて良好、赤は大規模補修が必要(NEXCO中日本提供)

(桜内政大)

(米国)

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