ジェトロ、山東省政府との対話を実施、電力需給の見通しも議題に

(中国)

青島発

2021年12月23日

ジェトロは12月7日、山東省済南市で中国国際貿易促進委員会(CCPIT)山東省委員会と共同で「山東省ビジネス環境向上政経対話会」を初めて開催した。

同会議は、山東省におけるビジネス環境のさらなる改善を目的としたもの。在山東省日系企業が抱えるビジネス上の課題を省政府に提起し、省政府側から関連情報や改善方針などが示された。

日本側からは、スズキやイオンなど省内各地域進出の日系企業計12社、および在青島日本総領事館の井川原賢総領事が出席した。山東省政府側からは、汲斌昌副省長を筆頭に各担当部局責任者が出席した。

写真 対話会の様子(ジェトロ撮影)

対話会の様子(ジェトロ撮影)

日系企業から提起された課題は、新型コロナウイルス感染症の関連施策、人材確保、安全生産に対する管理強化など多岐にわたった。また、「電力使用制限」や「北京冬季オリンピック・パラリンピック開催期間中の工場稼働制限の可能性」など、時節的な課題も取り上げられた(注)。

提起された課題に対しては、会議に出席した省政府の各管轄部門が個別に回答した。2021年9~10月、省内各地で発生していた「電力使用制限」についての当局からの回答概要は以下のとおり。

  • 石炭供給の逼迫などに伴い、多くの省で電力制限措置がとられた。山東省では、10月28日以降は制限措置を実施していないが、2021年冬から2022年春にかけて最大500万~700万キロワットの電力が再び不足すると予想されており、制限措置を実施する可能性がある。
  • 制限措置を実施する場合、エネルギー消費量の大きい企業や施設を、制限の主対象とする。主対象以外に制限を拡大する場合は、その他工場、商業施設の順で対象とする。なお、制限に当たっては、民生を優先しつつ、中小企業への影響を最小限に抑制する。
  • 山東省外からの電力確保などの関係で、電力不足量の判明が直前となる場合もあるが、電力会社には事前通知と制限時の各企業の特性などへの考慮を要求し、突然の制限を断固抑制する。

また、「北京冬季オリンピック・パラリンピック開催期間中の工場稼働制限の可能性」についての当局からの回答の概要は以下のとおり。

  • 北京冬季オリンピック・パラリンピック時の大気環境維持関連規制の発表は現時点ではないが、冬季に中国北部の大気環境は悪化する傾向があり、何らかの制限の実施が見込まれる。
  • その場合も大気に与える影響が大きい企業が主対象となるため、影響が比較的少ない省内日系企業への影響は小さいと考えている。
  • 制限を実施する場合においてもその期間は20日程度と想定しており、時期も春節休暇期間と重なるはずなので、企業への影響は小さいと思われる。もし実施する場合、あらかじめ連絡する。

なお、同会議に出席した汲副省長からも、各課題に関する追加提起などの積極的なコメントがあり、最後の総括では「山東省は日本との関係構築を非常に重視している。今後、さらに関係を強化していきたい」との発言もあった。

ジェトロは、同会議において提起された課題について、省政府側と緊密に連絡を取り、その進捗確認を行うとともに、今後も日系企業の事業環境に影響を与える重要課題などについて問題提起をするなど、山東省ビジネス環境の一層の改善に向けた取り組みを継続していくとしている。

(注)日本の外務省の海外進出日系企業拠点数調査(2020年10月1日時点)によると、在山東省日系企業の拠点数のうち、製造業は64.7%%という大きな割合を占めており、上記のような工場の稼働に対する規制は多くの企業にとって死活問題となっている。

(西島和希)

(中国)

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