湖北省デジタル経済発展「14・5」規画を発表、デジタル経済の発展加速を目指す

(中国)

武漢発

2021年12月08日

中国・湖北省政府は11月24日、2021~2025年における同省のデジタル経済発展に向けた「湖北省デジタル経済発展『14・5』規画」(以下、規画)を発表した。規画では、2025年までにデジタル経済の中核産業の生産額(付加価値ベース)を6,000億元(約10兆8,000億円、1元=約18円)以上とし、湖北省のGRP(域内総生産)全体に占める割合を10%以上とすることなどを目標に掲げている(添付資料表1参照)。

これらの目標を達成するため、規画では、デジタル経済の「一極両帯」を重点的に構築すると明記した。「一極両帯」とは「武漢デジタル経済牽引極」「漢江デジタル経済帯」「沿長江デジタル経済帯」を指す。詳細は以下のとおり。

  • 「武漢デジタル経済牽引極」:武漢市と周辺都市の産業の潜在力と住環境の優位性を生かし、中部地域のデータ、人材、資本を武漢市へ集中させることでデジタル産業クラスターの形成を目指す。
  • 「漢江デジタル経済帯」:武漢市、孝感市、随州市、襄陽市、十堰市にまたがる自動車工業地帯の特色を生かし、コネクテッドカーの研究開発テスト拠点や生産基地を建設することで、自動車や設備製造業を主要産業とする産業のデジタル化経済帯の構築を目指す。その他、襄陽市では、同市の副都心としての機能を生かし、スマート製造基地、国家現代農業モデル基地、総合物流センターとして重点発展を目指す。
  • 「沿長江デジタル経済帯」:長江の水路としての重要な役割を活用し、長江沿岸物流データセンターを構築し、省レベルの物流データを集積・共同利用することで、物流とデータの流れを融合させた発展を目指す。また、宜昌市の副都心としての機能を生かし、省レベルの重点情報インフラ施設を建設するほか、宜昌市、荊州市、荊門市を連結した化学工業ビッグデータ産業チェーンを育成。恩施トゥチャ族ミャオ族自治州、荊州市などの地域での文化・観光デジタル経済産業の発展も目指す。

そのほか、規画では、デジタル経済の発展促進のために実施する「10大先導プロジェクト」が掲げられた(添付資料表2参照)。

(楢橋広基)

(中国)

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