新型コロナワクチンのブースター接種解禁、接種率向上へSNSも活用

(ナイジェリア)

ラゴス発

2021年12月08日

ナイジェリア政府の新型コロナウイルス対策のCOVID-19大統領運営委員会〔Presidential Steering Committee(PSC) on COVID-19〕は12月3日、新型コロナワクチン接種を終えている一部の国民を対象に、ブースター接種を開始すると発表した。国立一次医療開発局(NPHCDA)のファイサル・シュアイブ局長は、以下の要件を満たした人物について、12月10日から最寄りの接種会場で接種可能と述べた。

  • 18歳以上
  • アストラゼネカ、モデルナ、ファイザーの2回目のワクチン接種から6カ月以上経過、またはジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンの1回接種から2カ月以上経過

NPHCDAの発表によると、12月5日時点のナイジェリア国内のコロナワクチン接種回数は1回目が713万回(接種対象者数の6.4%)、2回目が379万回(同3.4%)にとどまっており、政府が目標としていた2021年末までに40%、2022年末までに70%の接種率には遠く及ばない。NPHCDAは、ソーシャルメディア上に投稿されたワクチン接種促進のための動画に対し、賞金を授与する「#YesToCOVID19Vaccineチャレンジ」を主催するなど、接種率の向上に向けて工夫を凝らしている。

ナイジェリアの直近1週間の1日当たり平均感染者数は97人で、その前の週の70人から緩やかに増加しているが、比較的低い水準で推移している。国内での新たな変異株オミクロン株の感染者は12月1日に確認された3人にとどまっている。一方、カナダや韓国、英国では、ナイジェリアからの入国者のオミクロン株感染が確認されており、今回の措置は政府が警戒を高めた結果の判断だと考えられる。

(谷波拓真)

(ナイジェリア)

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