政府、新型コロナワクチンのスプートニク・ライトの緊急使用承認

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年12月13日

アルゼンチン政府は12月6日、保健省決議3451/2021号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、ロシア国立ガマレヤ研究所が開発した新型コロナワクチン「スプートニク・ライト」の緊急使用を承認した。

スプートニク・ライトは、アルゼンチンで接種に多く用いられているスプートニクVと異なり、1回の接種で済む。1回接種で済む新型コロナウイルスワクチンは、米国ヤンセンファーマ製、中国カンシノ製のワクチンが国内で承認されているものの、同国に輸入されているのはカンシノ製ワクチンのみで、輸入量もわずかだ。政府が11月26日までに確保したワクチンは9,442万7,055回接種分。内訳は、シノファーム製3,167万2,800回、アストラゼネカ製2,652万4,900回、スプートニクVが2,037万1,335回、モデルナ製350万回、ファイザー製1,065万4,020回、カンシノ製170万4,000回接種分となっている。2回の接種が必要なワクチンが主流だ。

保健省は、スプートニク・ライトのような1回接種のワクチンは、地方の村落などアクセスが困難な地域での接種に利用できると述べている。また、スプートニク・ライトがスプートニクVの1回目接種用薬剤と本質的に同じ成分であることから、ロシアではブースター接種に使用されているとも紹介している(注)。アルゼンチン国内では現在、スプートニクVの2回目接種を進めているが、スプートニク・ライトを用いた混合接種を進める可能性もあるとしている。

(注)スプートニクVは、1回目接種用と2回目接種用はそれぞれ異なる薬剤を用いて製造されている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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