国立銀行の2022年GDP成長率予測、0.7ポイント下方修正し2.6%に

(ベルギー)

ブリュッセル発

2021年12月24日

ベルギー国立銀行(NBB)は12月17日、2021~2024年の経済見通しPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表し、2021年、2022年の実質GDP成長率はそれぞれ6.1%、2.6%と予測した(添付資料表参照)。2021年6月に発表した前回の予測から、2021年は0.6ポイント上方修正、2022年は0.7ポイント下方修正した。

NBBは、ベルギー経済が新型コロナウイルス危機から予測よりも早く回復し、危機以前の水準に達したとしつつも、直近のエネルギー価格の高騰やサプライチェーンの停滞、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響を受け、2022年春ごろまで経済成長は鈍化する見込みとした。一方で、同年春以降はエネルギー価格が下がり、後半までにはサプライチェーンの混乱が解消されることが予測されるとして、中期的な見通しは明るいとしている。2022年第1四半期(1~3月)以降、堅調な賃金上昇と貯蓄率の正常化に後押しされた個人消費が牽引し、成長に向かうとみられている。

上向きの傾向が続いていた労働市場では、雇用創出は減速するものの、2024年まで引き続きプラスを維持する見込みだ。その結果、2021年、2022年の失業率はそれぞれ6.3%、6.1%となり、2024年までに5.7%まで改善すると予測する。

エネルギー価格の高騰を背景に過去数カ月で急速に上昇した消費者物価指数は、冬季中に8%前後のピークに達し、2022年3月ごろから緩やかに低下する見込み。

ベルギー政府の財政収支については、経済回復に加え、新型コロナ対策の支援措置が一部終了することに伴い、財政赤字は2020年のGDP比で9.1%から、2021年には6.3%に縮小する見込みだ。2022年にはさらに縮小し、2024年まで4%前後で推移する見通し。

(大中登紀子)

(ベルギー)

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