9~11月の失業率は9期連続で改善
(香港)
香港発
2021年12月20日
香港特別行政区政府統計処は12月16日、2021年9~11月期の失業率(季節調整済み、速報値)を、同年8~10月期から0.2ポイント改善の4.1%と発表した(添付資料図参照)。2020年12月~2021年2月期の7.2%をピークに、9期連続で改善した。
業種別にみると、多くの主要業種で改善が進んだ。小売・宿泊・飲食業などの個人消費や観光に関連するセクターは、2021年8~10月期から0.6ポイント改善して6.3%となった。政府が市民に配布した電子消費券が消費活動を下支えしたことなどが、雇用環境の改善に寄与したとみられる。また、建設業も、0.8ポイント改善して5.6%になった。
政府労働・福祉局の羅致光局長は「経済の回復が継続している中で労働市場も引き続き改善がみられた」「香港域内での新型コロナの感染は抑制されており、香港経済の回復と労働市場の改善は今後も続くだろう」とコメントした。
香港中文大学経済学部の荘太量准教授は、12月17日付の「香港経済日報」において、「失業率は、今後2~3カ月の間は低下が続き、2022年初には3.7%まで低下するだろう」「ただし、新型コロナウイルス感染症発生前の水準(3%程度)まで低下するには、中国本土との(強制隔離措置なしでの)往来再開を待つ必要がある」と指摘した。
(野原哲也)
(香港)
ビジネス短信 b3795948dcf078eb