デジタル通貨導入プロジェクトの実証実験の第1段階終了

(カザフスタン)

タシケント発

2021年12月24日

カザフスタン中央銀行は12月15日、国民経済のデジタル化推進のため2021年5月に開始した中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタルテンゲ」の実証実験の第1段階が終了したと伝えた(中央銀行ウェブサイト12月15日)。

同国でもデジタル決済が国内で一般化したことに加え、中国や欧米などの各国中央銀行がこぞってCBDC導入を検討している中で、カザフスタン中央銀行のこのプロジェクトは、金融デジタル技術の普及と金融サービスの充実を通じ、金融部門の国際競争力を高めるのが狙い。

中央銀行はデジタルテンゲの使用について、a.電子ウォレットに保存できる携帯性、b.オフライン決済も可能な利便性、c.取引情報の流出防止が図られる秘匿性、d.取引額の制限や取引目的の追跡が可能な透明性、e.民間決済システムとの相互運用性などの利点を挙げている。

中央銀行は、実証実験の第2段階ではさらに経済面や規制面、技術面の検証を行い、2022年7月までにデジタルテンゲ使用のための実用的システムを開発する予定。金融、財政などに与える総合的・潜在的な影響についても評価を加え、正式導入の決定は2022年末に行うとしている。

議会も、デジタルテンゲの導入は金融システムの透明性を確保し、汚職や脱税などに一定の効果があるとみて、早期導入に向け法整備を進めている(カザフスタン下院公式ウェブサイト12月20日)。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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