医薬品分野の生産連動型優遇策(PLI)対象企業を決定

(インド)

ニューデリー発

2021年12月03日

インド化学・肥料省は11月26日、医薬品を対象とした生産連動型優遇策(PLI)において、計55社の申請を承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしたと発表した。同省は申請期限の8月31日までに計278社からの申請を受理しており、5倍を超える競争率となった。

医薬品分野のPLIに対する補助金の予算は計1,500億ルピー(約2,250億円、1ルピー=約1.5円)だが、募集枠は事業者の売り上げ規模ごとに設けられた。全世界における2019年度(2019年4月~2020年3月)の年間生産売上高が500億ルピー以上のA枠(補助金予算:1,100億ルピー)、50億ルピー以上500億ルピー未満のB枠(225億ルピー)、50億ルピー未満のC枠(175億ルピー)の3つだ。各枠で11社、9社、35社が選ばれ、A枠では米国系のマイラン、アムニールのほか、インド地場系のサンファーマ、ドクター・レディーズ、ルピンなどの大手製薬会社が名を連ねた。日系企業は含まれていない。

本PLIの対象製品は、バイオ医薬品・ジェネリック医薬品など(カテゴリー1)、医薬品有効成分など(カテゴリー2)、それ以外の医薬品(カテゴリー3)の3種類に分類されている。対象期間は2022年度(2022年4月~2023年3月)からの6年間だ。今回承認を受けた企業は、各年度の追加投資額および売り上げ増加額の各基準を満たした場合、国内で製造した対象製品の売上高増加分の6~10%(カテゴリー1、2)もしくは3~5%(カテゴリー3)が補助金として支払われることになる。

インド政府は「メーク・イン・インディア」というスローガンの下、国内製造業の振興を図っており、PLIはその目玉政策だ(2020年11月17日記事参照)。全13分野が対象となっているPLIにおいて、各管轄省庁は分野ごとに対象製品や審査基準、募集期間などを定めた上で、申請企業を順次、募集している。なお現在、重工業省が自動車・同部品分野におけるPLIの募集を開始しており、2022年1月9日まで企業からの申請を受け付けている(2021年12月1日記事参照)。

(広木拓)

(インド)

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