米移民・関税執行局、H-1B就労ビザ選考方法変更を撤回

(米国)

ニューヨーク発

2021年12月24日

米国土安全保障省(DHS)傘下の米国移民・関税執行局(USCIS)は12月21日、外国人に発給するH-1B就労ビザの選考方法変更規則を撤回すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、翌22日にそれに伴う最終規則を官報で公示外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。官報によると、この規則は9月15日にカリフォルニア州北部地区の米連邦地裁が無効としたため、DHSはその判断に従うとした。

これは、H-1B就労ビザの選考方法について、従来の抽選方式から賃金ベースで優先順位をつけるという方法に変更するというもので、トランプ前政権下で2021年1月7日に発表され、12月31日が施行日とされていた(2021年2月10日記事参照)。

訴訟内容PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、米連邦地裁は、(1)賃金ベースで優先順位をつけるというビザの選考方法は、米国で就職することを目的に留学する学生が卒業後に就職できる可能性が低くなるために、留学しなくなり、教育機関に財政的・社会的な悪影響を及ぼすという主張と、(2)この規則が発表された当時、チャド・ウルフ前国土安全保障省長官代行は法的な権限を有していなかったという主張を基に、今回の規則改正を無効とするという判断をした。

(吉田奈津絵)

(米国)

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