「5G+インダストリアルインターネット」の典型的ユースケース第2弾を発表

(中国)

中国北アジア課

2021年12月07日

中国工業信息化部は11月26日、「第2弾『5G+インダストリアルインターネット』10の典型的なユースケースと5つの重点産業実践状況の通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、通知)を発表した。

中国政府は、第5世代移動通信システム(5G)の浸透には基地局の建設とともに、5Gのユースケース(使用事例)の普及・推進が不可欠としており、特に産業分野のIoT(モノのインターネット)、インダストリアルインターネット(注)における5Gの活用に力を入れている。

インダストリアルインターネットの推進について、工業信息化部は2019年11月に「『5G+インダストリアルインターネット』512工程推進方案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表。2022年までにインダストリアルインターネットの10の重点業種と20の典型的なユースケースを発掘し、各地域で「5G+インダストリアルインターネット」の応用先行区の建設を奨励するとしていた。5月31日に第1弾として10の典型的ユースケースと5つの重点業種を発表しており(2021年6月10日記事参照)、今回の通知が第2弾となる。

今回の通知では、典型的な10のユースケースとして、(1)生産ユニットのシュミレーションモデルによる製造工程の可視化、(2)屋外作業の精密コントロール・自動化、(3)生産エネルギー効率の管理・改善、(4)製造工程のモニタリングの自動化、(5)製造工程のトレーサビリティー、(6)製造設備の予測的メンテナンス、(7)工場内の全ての貨物のスマート管理、(8)全物流工程のモニタリング、(9)拡張現実(AR)/仮想現実(VR)を活用したバーチャルでの製品の展示、技能トレーニング、遠隔オペレーション指導、(10)企業間のデータ共有・システム連携の強化を挙げた(添付資料表参照)。また、重点産業については、石油化学工業、建設用の非金属鉱物製品製造業、港湾業、紡績業、家電製造業の5つとした。

中国インダストリアルインターネット研究院が10月に発表した「インダストリアルインターネットイノベーション発展効果報告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、全国で行われている「5G+インダストリアルインターネット」のプロジェクト数は既に1,800件を超えた。

工業情報化部が11月16日に発表した「第14次5カ年(2021~2025年)情報通信産業発展規画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」でも、内需を拡大して新型情報消費を育成するため、5G、ビッグデータ、人工知能(AI)などの新技術の応用を一層深め、インダストリアルインターネットにより生産のデジタル化を発展させていくとしている。同部によると、11月16日時点の5G基地局は115万カ所超、5Gに接続するユーザー数は4億5,000万となり、いずれも世界最大規模となっている。

(注)産業機器のIoT化を進めてモノ・データ・人を結び付け、生産効率や品質管理の向上を目指すこと。

(江田真由美)

(中国)

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