サンクトペテルブルクのエコシステム、手厚いIT教育が特徴

(ロシア)

モスクワ発

2021年12月02日

ジェトロは11月25日、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクのスタートアップ・エコシステムの中核を担うテクノパーク・サンクトペテルブルクと、ソフトウエア開発事業者団体ルスソフトから講師を迎え、現地のスタートアップ・エコシステムの現状に関するオンラインセミナーを開催した。

ジェトロ・サンクトペテルブルク事務所の島田憲成所長は、モスクワと比較したサンクトペテルブルクの特徴について、a.規模では劣るものの、市が中心となってエコシステム構成機関が緊密な連携を取り合っている、b.IT教育が手厚い、c.競争が比較的穏やかで人材を獲得しやすいことを挙げた。

テクノパーク・サンクトペテルブルクのオクサナ・フョードロワ国際プロジェクトコンサルタントは、テクノパークの中心的存在であり、スタートアップ企業を支援するビジネスインキュベーター「イングリア」の取り組みを紹介した。大企業のプロジェクトに資するスタートアップ企業の選出のほか、提携大学の学生が企業から与えられた課題の解決法を提案するなど、学術機関と企業の効果的な連携の場を提供している。これらの活動を通じ、同テクノパークの支援を受けて保健、教育などの分野で複数のスタートアップ企業が国際展開を果たしていることも紹介した。

写真 テクノパーク・サンクトペテルブルクのフョードロワ氏の講演(ジェトロ撮影)

テクノパーク・サンクトペテルブルクのフョードロワ氏の講演(ジェトロ撮影)

ルスソフトのワレンチン・マカロフ会長はサンクトペテルブルクの優位性を示すものとして、ルスソフトが毎年発表している地域別ITサービスの購入金額がロシア国内で1位(モスクワの2倍の水準)であることを挙げた。マカロフ氏によると、その背景にはサンクトペテルブルクの大学に在籍する優秀な学生の存在があるという。

ルスソフトはサンクトペテルブルクにおけるITクラスターの一部としての役割を果たすほか、欧州を中心に国外のソフトウエア代表団体との交流を活発に行っている。特にドイツのソフトウエア団体ビットコムとの協力はロシアからドイツへのソフトウエア輸出の契機となった。

写真 ルスソフトのマカロフ氏の講演(ジェトロ撮影)

ルスソフトのマカロフ氏の講演(ジェトロ撮影)

ジェトロは日本企業のオープンイノベーション活動を支援するため、モスクワを含む海外11都市・地域を対象に、オープンイノベーション・ブリーフィング・サービスを提供しており、活用してもらいたい。

(菱川奈津子)

(ロシア)

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