ブラジル資源大手ヴァーレ、モアティゼ炭鉱の売却合意締結を発表

(モザンビーク、ブラジル)

マプト発

2021年12月27日

ブラジル資源大手ヴァーレは12月21日にウェブサイトで、同社が保有するモザンビーク・テテ州モアティゼ炭鉱とナカラ回廊を、インドのジンダル・グループ傘下のブルカンへ総額2億7,000万ドルで売却することで合意したと発表した。合意には、一定の鉱物生産と石炭価格を条件とした10年間のロイヤルティー契約も含まれるが、同社は同契約の詳細については発表していない。今後は、モザンビーク政府と鉱物資源エネルギー省による承認などのプロセスを経て売却が完了する見通しだ。ヴァーレは2021年に低炭素鉱業の旗振り役を目指して、鉄鉱などのコアビジネスに注力するとして、炭鉱を保有しないという方針を発表している。今回の売却は同社の方針に沿ったものとみられる。

売却先となるジンダル・グループの子会社JSPLモザンビーク・ミネライスは、テテ州のチロッジ炭鉱を開発し、2013年から石炭の生産を開始している。

2021年1月にヴァーレと共同でモアティゼ炭鉱とナカラロジスティック回廊事業を進めていた三井物産は同社の持ち分をヴァーレに譲渡する基本合意書の締結を発表(2021年1月28日記事参照)し、ヴァーレも事業の売却に向けた検討を進めていると報道されていた。

(松永篤)

(モザンビーク、ブラジル)

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